(13日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート男子フリー) 演技を終えると佐藤駿は軽く右拳を握…

 (13日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート男子フリー)

 演技を終えると佐藤駿は軽く右拳を握った。納得したような表情を浮かべた。

 フリーの得点は186.20。ショートプログラム(SP)との合計274.90点が表示されると、日下コーチと握手を交わした。

 冒頭の4回転ルッツを決めると、勢いに乗った。

 投入するか悩んでいた4回転フリップは回避したものの、連続ジャンプを着氷するなどうまくまとめた。

 10日のSPは、不完全燃焼に終わった。

 「正直やばかったです」と振り返るほど緊張し、連続トーループで後半の3回転が2回転になり、着氷も乱れて9位と出遅れた。

 先に団体の男子フリーで滑っていたとはいえ、個人種目は勝手が違った。

 それでも、下は向かなかった。

 「いい形で終われるように頑張りたい」

 納得のいく演技ができる準備をした。

 フリー当日は体力を温存する「戦略的な休み」もとった。

 夕方に予定していた、試合会場での練習を見送ったことも功を奏した。

 2022年北京五輪の男子フリーが行われた日、佐藤は病院のベッドにいた。

 この大会への出場を目指していたが、左肩を負傷。親友の鍵山優真が銀メダルを獲得したことを知ったのは、全身麻酔がとけた後だった。

 あれから4年。目標の舞台に立ち、銅メダルをつかんだ。(遠田寛生)