2026年のJリーグが開幕した。秋春制の前に、まずは百年構想リーグを戦う。その開幕戦では、強豪チームの疑問と注目ポイン…

 2026年のJリーグが開幕した。秋春制の前に、まずは百年構想リーグを戦う。その開幕戦では、強豪チームの疑問と注目ポイントが浮かび上がった。現地取材から、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。

■柏が反撃の狼煙

 3ゴールを奪われはしたものの、川崎フロンターレ陣内でプレーする時間が長くなっていた柏レイソルは、35分に原田亘が入って伊藤達哉のドリブルを封じることに成功すると落ち着いて攻撃の形をつくり始める。

 そして、38分にはキャプテンの古賀太陽を起点に得意の右サイドで久保藤次郎、小泉佳穂とつなぐ間に原田がペナルティーエリア内に進入して小泉からのパスを受けてクロスを入れると、CFの細谷真大がヒールでコースを変えてゴールに流し込むことに成功する。

 昨年から何度も見てきた右サイドでの柏の見事なパス回しだった。

 細谷のフィニッシュも見事だった。

 昨シーズン、垣田裕暉に先発の座を譲ることが多かった細谷だったが、シーズン終盤にはCFの座を確保。リーグ戦では伊藤(川崎)の13ゴールに次いで日本人として2番目の12ゴールを決めた。フィジカル面での強化は著しく、DFが体を当ててもそれを吹き飛ばしてゴールに迫ることのできる迫力あるストライカーに成長している。

 日本代表の将来を考えても、細谷の成長は今シーズンの注目点の一つである。

 その細谷が開幕戦でチームとして最初の得点を決めたことは、柏にとっても細谷本人にとっても大きな出来事だった。

■両チームに残った反省材料

 結局、3対1のまま後半に入った開幕戦は、後半も両チームが2点ずつ奪って5対3で川崎の勝利に終わったが、内容的には柏が攻め込む場面が続いた。

 90分を通じてのシュート数は川崎の9本に対して柏は19本。後半だけに絞れば、川崎の3本に対して柏は11本のシュートを放っている。

 ただ、チャンスは多かったものの、柏は同点に追いつけなかった。

 細谷もチーム最多5本のシュートを放ったものの、38分のゴールだけに終わり、1点を返した直後の39分に相手DFのマークをかわして反転して打った左足のシュートがポストをかすめたのをはじめ、何度かあった決定機で決めきれなかった。

 それに対して、川崎は点取り屋のエリソンがきっちりと3ゴールを決めきっただけでなく、ほとんどチャンスをつくれなかった後半にもCKからJ1デビュー戦となったDF松長根悠仁が難しいヘディングシュートを決め、さらに後半アディショナルタイムにはバイタルエリアでパスをつないで最後は脇坂が抜け出して決めた(初めて、川崎らしい得点だった)。

 川崎は、内容的には攻め込まれる時間が長かったが、山原怜音、松長根、谷口栄斗と新加入選手3人を並べた最終ラインや、やはり新加入のGKブローダーセンがよく守って同点を許さず、柏とは対照的に非常に効率よく点を取って勝利に結びつけた。

 ただし勝利した川崎も、想定したようにボールを握ることができずカウンターとセットプレー頼りになってしまったことは大きな反省材料だろう。一方、柏としては攻撃力は示したものの、相手のドリブル攻撃から同じような形をつくられていきなり3点を失ってしまったのだから、ゲームの入り方を考え直さないといけない。

■柏VS川崎の奇妙な傾向

 さて、両チーム合計8点が入る乱打戦は、昨年の川崎と柏の試合のリプレーを見ているようだった。

 昨年の両者の対戦は、第3節の柏ホームの試合こそ1対1のロースコアでの引き分けに終わったものの、リーグ戦終盤の第32節、川崎ホームの試合は4対4の打ち合いとなり、さらにルヴァンカップ準決勝では川崎でのファーストレグで川崎が3対1で勝利したものの、セカンドレグではホーム日立台に戻った柏が4対1と勝利して決勝進出を決めた。

 つまり、大量点が入る大味な試合が続いていたのだ。そして、今シーズンの開幕戦も5対3というスコアになった。

 いったい、なぜ、両者の対戦ではこんな大量点が生まれるのだろうか? これだけ、連続して同じような試合が続くのだから、何か具体的な原因があるはずである。

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