ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会に向け、東京都が進めてきた「“応援のチカラ”プロジェクト」。開幕3週…

ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会に向け、東京都が進めてきた「“応援のチカラ”プロジェクト」。開幕3週間前となった2月13日、日本代表へ応援のチカラを届けようと、“応援のチカラ”アートと全国から集まった応援メッセージが選手へ贈呈された。

パラスポーツは観る人の人生も輝かせる

2025年11月にスタートした同プロジェクト。応援メッセージはこの日までに1800通に達した。好評につき〆切期間をパラリンピックの最終日である3月15日までに延長し、引き続き募集するという。

また、都立墨東特別支援学校の児童・生徒たちが“応援”をテーマに描く絵「“応援のチカラ“のタネ」を制作。同プロジェクトのスペシャルアンバサダーを務めているアーティストで俳優の香取慎吾さんがこの絵をコラージュし、アートとしてまとめるプロジェクトも完成。選手に直接贈呈するため、香取さんが登壇した。

初めて現地観戦した冬季パラリンピックが2018年の平昌大会だったとも振り返る香取さん

「パラスポーツは人生の輝きを教えてくれる。選手の輝きが僕らを輝かせてくれる。そんなパラスポーツだと思って応援させてもらっているから、僕は輝いているんだと思います」と笑いを誘いつつ、パラスポーツの魅力を語る香取さん。2017年からパラスポーツを応援し、2021年に開催された東京2020パラリンピックではメダルのプレゼンターも務めた香取さんは、この5年間でエンターテインメントの現場でも変化を実感していると語る。

「自分のファンミーティングやライブでも手話通訳や文字サポートが始まっていたりとか、その前にはなかったことを感じられなかったことがたくさんあって。パラスポーツやパラリンピックが変えてくれることってたくさんあるんだなっていうのをとても実感しています」

今大会の会場の1つであるミラノは好きな街で、何度か訪れ、買い物をしたり、ドゥオモや絵画『最後の晩餐』を見たりして楽しんだという。それだけに、「ミラノの中心部からコルティナまで4時間ぐらいかかるんですよね」という言葉にも実感がこもる。

ニュースになるほどの活躍を期待

香取さんの軽快なトークの後、ミラノ・コルティナ大会の出場を控えている選手・競技団体の代表として登壇したのが、車いすカーリングの中島洋治とスノーボードの岡本圭司だ。

本番を目前にし「ワクワクしている」と話した中島

大会を3週間後に控えた今の気持ちを聞かれ、中島は車いすカーリングを始めたのは、2006年にトリノで行われたパラリンピックに出場したかったから、と明かす。

「当時は出場できなかったので(2010年のバンクーバー大会には出場)、今回、20年越しに(イタリアでパラリンピックに出るという)夢がかないます」と、感慨深げだ。

また、岡本は前回の北京大会では出場することに必死で、結果メダルを獲れなかった分、今大会への思い入れは深いと語る。

「メダルを獲るための4年間にしようと、(日本のスノーボード)チームと一緒に頑張ってきました。ただ、ケガをし過ぎたので、今はやっとここにたどり着いたという感動と安心感が大きいです」

もともとプロスノーボーダーだった岡本。事故で障がいが残ってからも滑り続けている原動力は、二つあるという。一つは、挑戦、成長、進化が好きで、やり続けることが大事だと気づいたこと。もう一つは、北京大会の前に対談した香取さんが語っていた言葉だ。

右手首を骨折し、現在入院中の岡本。この日は、外泊許可を得て贈呈式に参加した

「慎吾さんが、大変なことがあったけど、いろんな人が助けてくれた。それは、そうなる前に自分がめちゃめちゃ頑張ってたから。だから、そのときの自分をほめたいって言っていたんです。それが心に残っていて、自分も将来そう思えるように、今、頑張っておこうと思いました」

どんな話が飛び出すかとヒヤヒヤの様子だった香取さんも、これには「いい話じゃん」と破顔一笑。

ミラノ・コルティナ大会は日本と時差もあり、だれもが試合の様子を観られるとは限らないが、「どうしても外せないニュースになるぐらいの大活躍をしてくれるのを期待してます」と、エールを送る。

「テレビに映りたいですね」と応えた中島は、2025年世界選手権で優勝。現在の世界ランキング2位で、実力は十分。「戦える位置にいると感じている」と力強く語り、会場の期待を集めた。

香取さんと子どもたちによるアートがお披露目された
スパークした応援のパワーを花火にコラージュ

都立墨東特別支援学校の児童・生徒を代表して渡邊英瑠(小学部の5年)さん、西直哉(小学部の4年)さんが見守る中、選手への応援を形にしたアートがお披露目。タイトルは『応援パラ火』。「“応援のチカラ“のタネ」の絵を一つひとつ切り抜き、花火のように放射状にコラージュした作品だ。

贈呈式は、香取さんがスペシャルサポーターを務める日本財団パラスポーツサポートセンターの共同オフィスで行われた

「すべての絵を一枚一枚見て、花火のようにスパークする力強いパワーを感じたので、スパークした思いを一つにしようと思いました。僕はまわりの黒いところは塗って、色は足してはないのに、なんだか自分の絵の感じになっている。みんなと僕で一つのものを作れたなっていう感覚になって。応援の花火がここで輝きを増してほしいと思います」

この絵を見た岡本は、「パラスポーツには、腕がない、足がない、動かないなど、いろいろな人がいます。この絵も一つひとつはバラバラ。なのに、合体したときに一つのチカラ、芸術になっていて、すごいパワーを感じます」と、パラスポーツとの共通するものを受け取ったようだ。

全国から届いた応援メッセージには、夏季パラリンピック実施競技を統括する競技団体からのメッセージも

また、寄せられた応援メッセージの一部をボードにしたものも贈られた。

岡本は、「応援は形として見えないものですが、こうして文字や形にしたものを見ると、改めてありがたいですし、応援されているとの実感が湧きます」と、感激した様子。

この応援アートとメッセージをいつでも見られるQRコード入りのシールが選手には配られるという。

応援アートのシールを手にする香取さん

「たくさんの応援を見返しながら、力にしたい」と中島が言えば、3週間前にケガをしたばかりの岡本も「本番では精いっぱいの滑りを見せたい」と、改めて活躍を誓った。

最後に香取さんは、「日本代表の皆さん頑張ってねっていう思いがあれば、その応援の力は必ず通じると思うので、みんなで応援しましょう」と呼びかけた。

※応援メッセージは<“応援のチカラ”プロジェクトWEBサイト>で2026年3月15日(日)23:59まで受け付けている。

応援のタネを描いた子どもたちも完成したアートを見て感激した様子

text by TEAM A

photo by Jun Tsukida