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 NBAがロードマネージメントに対して、再び厳しい制裁を下した。リーグは2月13日(現地時間12日)、リーグが制定する「Player Participation Policy(選手出場ポリシー、以下PPP)」に抵触する行為があったとして、ユタ・ジャズに50万ドル(約7500万円)、インディアナ・ペイサーズに10万ドル(約1500万円)に罰金処分を科したと発表した。

 高額な処分を課したジャズについては、スター選手に該当するラウリ・マルカネンと、今月トレードで加入したばかりのジャレン・ジャクソンJr.の両選手を、2試合続けて第4クォーターをまるごとベンチに座らせたことを問題視。マルカネンとジャクソンJr.は、同8日(同7日)のオーランド・マジック戦で接戦を繰り広げていた終盤でもコートに戻ることはなく、チームはリードを失って敗戦を喫している。同様の運用は同10日(同9日)のマイアミ・ヒート戦でも見られたが、この試合はセカンドユニットの奮起もあって接戦をものにしていた、

 一方のペイサーズは、同4日(同3日)のジャズ戦で、エースのパスカル・シアカムが出場できる健康状態だったにもかかわらず欠場させたと判断されたことが処分対象となった。

 NBAは、両球団の行為を“リーグの信用を損なう行為”とし、コミッショナーのアダム・シルバーは声明で以下のコメントを伝えている。

「勝利よりドラフト順位を優先する、このような露骨な行為は、NBAの競争の基盤を損なうものであり、我々は試合の公正性を損なうさらなる行為があれば、それに応じて対応をする所存です。加えて、我々はコンペティション委員会および理事会とともに、この種の行為を根絶するための追加措置を実施するべく取り組んでいます」

 PPPは、昨今問題視されてきたスター選手の“休養”、すなわちロードマネージメントがファンの体験、競争の公正性を損ねるとして、2023−24シーズンから施行されたルールである。スター選手は「直近3シーズン以内にオールスターまたはオールNBAに選出された選手」などと定義され、複数名のスター選手の同時欠場には制約がかけられ、マルカネン、ジャクソンJr.、シアカムは、PPP対象選手となっている。

 NBAにおいて、ドラフトで良い指名権を獲得するために成績を落とす通称「タンク」は、球団が未来のサクセスストーリーを描く上で常習化しつつある。現実問題として、ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)、ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)、アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)など、直近の1位指名権で若手スターの指名に成功した球団は、リーグで上位に位置し、優勝を狙えるポジションにいる。NBAはこうした状況を加味してテコ入れを検討しているが、『NBC』のカート・へリン記者は下位チームに与えられるインセンティブを奪うことになった場合、「ファンベースから“希望”を奪ってしまう」と危惧する。

 PPP違反では、ロードマネージメントより露骨なタンク疑義により重い罰金が課せられる。2023年にはプレーイン出場がかかった試合で競争性を損なう行為に及んだとして、ダラス・マーベリックスが75万ドル(約1億1500万円)の罰金を言い渡されている。

 今回のジャズへのペナルティーはそれに次ぐ高額処分となったが、ジャズのオーナーを務めるライアン・スミスは自身のSNSアカウントで皮肉を込めながらリーグへの不満をあらわにしている。

 タンクとロードマネジメントの境界は、今後さらに厳しく問われることだろう。今回の処分は「出場させたからOK」という形式論を、リーグが許さない姿勢を明確にした出来事と言えそうだ。

文=Meiji

【動画】ジャズのスミスオーナーのSNS投稿