<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フリースタイル>◇男子モーグル決勝◇12日◇リビーニョ・エアリアル・モーグルパ…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フリースタイル>◇男子モーグル決勝◇12日◇リビーニョ・エアリアル・モーグルパーク

18年平昌五輪金メダルのミカエル・キングズベリー(33=カナダ)が、83・71点で銀メダルを獲得した。

自身最後の五輪と位置づけた今大会。得点では金メダルのクーパー・ウッズ(オーストラリア)と並んだものの、ターン点で下回って2位に。順位確定後にはスキー板を投げるなど悔しさをあらわにした。

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モーグル界のキングが、商売道具をぶん投げた。12日の男子モーグル決勝。銀メダルに終わったW杯通算100勝のキングズベリー(カナダ)が、レース後にスキー板をたたきつけた。金メダルのウッズ(オーストラリア)と83・71点の同点だったが、ターン点で下回った。

モーグルはターン、エア、スピードの3要素で採点する。客観的なものはスピードのみ。ターンは5人、エアは2人のジャッジが、主観的に判断する。そして同点の場合、100点満点の60%を占めるターン点で優劣をつける。

そんなルールは百も承知だ。

だが11日の女子決勝でも3位ラフォン(フランス)と4位冨高(多摩大ク)が78・00点の同点で、ターン点で0・20点の差がついた。

4年の1度の五輪で、男女の決勝でメダルに絡んで同点→主観要素のターン点決着、となれば、後味の悪さが残る。見ている人にとってわかりにくい採点方式は、競技の魅力をそぐ。端的にいえば、観客が離れる。

主観的要素にこだわった堀島も同じ。決勝2回目に、大技コークスクリュー1440(軸をずらした4回転)に挑んだ。しかし回転数の少ない2人に屈して銅メダル。本人はジャンプが右に流れたとして「減点要素になった」と認め、不満を示さなかった。

ただ、どんな競技でも、誰もできない高難度の技に挑む選手は、その競技を進化させる貴重な存在だ。これが続くようであれば、誰も高難度の技にチャレンジせず、競技レベルは停滞したままになるだろう。

かつてフィギュアスケートの10年バンクーバー五輪で、4回転ジャンプを飛んで銀メダルに終わったプルシェンコ(ロシア)は、3回転ジャンプのみで金メダルをとったライサチェク(米国)についてこう言った。「採点システムは変更されるべき。五輪王者が4回転ジャンプの跳び方を知らないなら、男子シングルではなく(ジャンプなしの)アイスダンスに名前を変えなくてはならない」。賛否両論ある言葉だが、難しい技に挑み、競技の限界を押し上げようとする競技者の気持ちを代弁している。

モーグルは10年バンクーバー五輪4位上村愛子に代表されるように、ジャッジが物議を醸すことが多い。

「採点競技だから」のひと言で終わらせることなく、誰にとってもわかりやすい採点方式を模索すべきだ。

その努力を続けることが、時に命を削って技を磨く選手たちに対する責任であるはずだ。【五輪担当=飯岡大暉】