(12日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スキー男子モーグル決勝) 分厚い壁に、またはね返された。「やっぱり…
(12日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スキー男子モーグル決勝)
分厚い壁に、またはね返された。「やっぱりすごい」。銅メダルを獲得した堀島行真(トヨタ自動車)には、ずっと追ってきた背中がある。
「絶対王者」と呼ばれる33歳、ミカエル・キングズベリー(カナダ)だ。
2018年平昌五輪で金メダル、世界選手権は19年から3連覇を達成した。今季はけがの影響で出遅れたが、1月にワールドカップ(W杯)復帰後初勝利を挙げ、通算100勝に到達した。
5歳下の堀島にとって「目標でもあり、彼を倒さないと優勝はない」という存在。昨年の世界選手権で王者の4連覇を阻止したのが、堀島だった。
そんなモーグル界の第一人者は予選後、五輪出場について「最後にすると思う」と明かした。決勝では貫禄の滑りで、22年北京五輪に続く2大会連続の銀メダルを獲得した。
試合後の記者会見で、堀島はライバルへの思いを口にした。
「勝ちにこだわる姿や技術を伸ばす能力にとても感銘を受け、尊敬している」。そして誓った。「(五輪で)まだまだ勝てないので、勝つための方法を身につけたい」。
同席したキングズベリーは、堀島に顔を向けて「サンキュー」と照れ臭そうに笑ってから、「イクマは真面目で素晴らしい選手。手ごわい相手だ」。
そんな絶対王者を、今度は堀島が見つめ返す。実力を認め合う2人だけの空間があった。
2人が五輪舞台で戦うのは、15日に決勝があるデュアルモーグルが最後になる。「全力でぶつかっていく」と堀島。滑りで、感謝を伝える。(山口裕起)