ケガの不安を吹き飛ばす結団式だった。ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会に臨む日本代表選手団が12日都内…
ケガの不安を吹き飛ばす結団式だった。ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会に臨む日本代表選手団が12日都内に集結。旗手のひとり小須田潤太(スノーボード)が会場を盛り上げた。

大日方邦子団長率いる日本代表選手団は、日本代表選手41人、競技パートナー1人(2月12日時点)。式では、日本パラリンピック委員会(JPC)の森和之会長から大日方団長に団旗が授与され、このあと団長から旗手の小川亜希と小須田に手渡された。
車いすカーリングの小川とともに、選手を代表して登壇した小須田は、「主将がいない(置かない)ので、主将っぽく盛り上げよう」と、選手たちに声を出すことを提案。威勢よく「チームジャパン!」と呼びかけ、選手らが「おー!」と応える一幕もあった。

パラリンピックは、現在開催中のオリンピックと同様に広域開催。ノルディックスキーはヴァル・ディ・フィエンメ、アルペンスキー&車いすカーリング&スノーボードはコルティナ、アイスホッケーはミラノで開催される。小須田は、インスタグラムの相互フォローを呼びかけ、記者会見で「心をひとつにするには、お互いを知ることが大事。SNSでつながっていればお互いの競技結果が目に入ると思う。心一つに挑戦することができれば、確実に個人だけで戦うよりも結果がよくなるのかなと思います」と話した。
そんな小須田は1月中旬にオーストリア遠征中に右肘を骨折するアクシデントがあった。すぐに帰国し、現在は練習を再開。バーを引く動作のスタートや世界選手権で金メダルを獲ったバンクドスラロームの細かいターンに必要な機敏な動きに影響が残る、という。それでも、「いつもケガをするのは調子がいいとき。ベストの状態で迎えられるとプラスに捉えている」と持ち前のバイタリティを発揮し、「結果を出すために、リハビリをがんばる」と誓った。
1月には同じくスノーボードの岡本圭司がオーストリアの大会中に右手首手関節脱臼と橈尺骨骨折により手術。アルペンスキーで3連覇を目指す村岡桃佳は2025年11月の11月中旬のイタリア合宿中に転倒して帰国。左鎖骨骨折の診断を受け、骨を固定する手術をして、現在はリハビリに励んでいるという。

今大会のムードメーカーは、“チーム一丸”を地で行くスノーボードチームだろう。小須田の威勢のいい声は、さまざまな不安を払しょくするかのようだった。
6競技出場は「16年ぶり」日本代表選手団は、16年ぶりに全6競技エントリーする。
2025年3月の世界車いすミックスダブルスカーリング選手権で金メダルを獲得し、16年ぶりにパラリンピックに出場する権利を自ら掴んだ小川は、「自分たちが久しぶりにパラリンピックに出て冬季競技が今回は全部そろった。この場にいることが本当にうれしい」と笑顔を見せる。

スノーボードでは女子で初めて坂下恵里が出場、男女混合競技のアイスホッケーにも福西朱莉が初めて名を連ねた。
最年少はアイスホッケー16歳の高校生、河原優星。スポーツ庁の選手発掘事業「J-STARプロジェクト」を通じ、13歳で競技を始めた。
最年長は、車いすカーリングのミックスダブルスに出場する61歳の中島洋治。4人制で日本代表スキップを務めた2010年バンクーバー大会以来の出場になる。
クロスカントリースキーの新田佳浩は、1998年長野大会から8大会連続の出場となる。ほかに“長野組”は、アイスホッケーの𠮷川守、三澤英司が2大会ぶりに出場する。
また、15人の選手が初出場する。

夏のパラリンピックに出場したことがある選手は、スノーボードの小須田(陸上競技)、アルペンスキーの村岡(陸上競技)、ノルディックスキーの有安諒平(ローイング)と佐藤圭一(トライアスロン)。
長野県出身・在住者が7人と多いのも冬季パラリンピックならでは。北海道出身・在住者は競技パートナーを含めて4人いる(2月12日時点)。
3月のパラリンピックでメダル獲得目標数は設定せず、「選手たち自己ベストを出せば結果は自ずとついてくると信じている」と大日方団長。
パラリンピックは、3月6日(金)の開会式に先立って4日(水)から車いすカーリングの予選が始まる。

text by Asuka Senaga
photo by Jun Tsukida