(12日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉距離女子10キロフリー) 距離で日本女子唯一の代表として戦う土屋正…

 (12日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉距離女子10キロフリー)

 距離で日本女子唯一の代表として戦う土屋正恵はレースだけでなく、「クロカン界のトップを走ってきたレジェンド」の重圧とも闘っている。

 前回の北京五輪まで5大会連続で出場した45歳、石田正子だ。

 2010年バンクーバー五輪では30キロクラシカルで5位に入賞。日本のスキー距離史上、これは男女を通じて五輪の最高成績として今も残っている。石田は昨秋に第1子を出産。現在は一時的に競技から離れている。

 土屋は昨季終盤から後継者と期待され、重圧と向き合ってきた。

 「石田選手がいなくなって、日本のトップを走る身としてリザルト(結果が求められるの)はつきもの」

 レースのたび、恐怖に襲われるという。

 2回目の五輪となった今大会は、7日の20キロ複合で35位に沈み、悔し涙を流した。

 しかし、この日は違った。「誰かと比べることは苦手。自分のベストで臨む」。自らに言い聞かせたことで肩の荷が下りた。

 得意なフリー走法で果敢に滑り、26位でゴールした。

 「今日は自分でも納得する滑りだったので良かった」。

 同じ涙声でも5日前の初戦とは違う。ホッとした笑みも浮かんだ。(笠井正基)