昨年のワールドシリーズで大谷を打ちまくったゲレーロJr.(C)Getty Images苛立ちを覚えさせた“下馬評” 色々…

昨年のワールドシリーズで大谷を打ちまくったゲレーロJr.(C)Getty Images

苛立ちを覚えさせた“下馬評”

 色々な想いを抱いての頂上決戦だった。現地時間2月11日、ドミニカ共和国のジャーナリストであるヤシエン・プーホルス氏のYouTubeチャンネルに出演したブルージェイズの大砲ブラディミール・ゲレーロJr.は、昨秋のワールドシリーズを回想。“最強軍団”ドジャースとの激闘を赤裸々に語った。

【動画】大谷翔平のインタビューを後方から聞くゲレーロJr.をチェック

 球界屈指の大砲は、シリーズ前の下馬評に苛立ちを覚えていた。

 昨季のブルージェイズは、5年ぶりのア・リーグ東地区優勝を達成。迎えたポストシーズンでも快進撃を続け、同地区のライバルであったヤンキースを3勝1敗で撃破。完全に勢いに乗ったチームはマリナーズとのリーグ優勝決定も4勝1敗で完勝。ナ・リーグ王者となり、ワールドシリーズ連覇を目指していたドジャースに対しても、「勝つ自信があった」という。

「俺たちは、“ドリームチーム”と対戦するってことを知っていた。みんなが俺たちを大穴だと思っていることも分かっていたんだ。誰もがシリーズはもう決まりだと決めつけ、『1、2、3、4でスイープされて終わりだ』なんて言っていたからね」

 だからこそ、ゲレーロJr.は奮起した。最終第7戦までもつれ込んだ激闘にあって打率.333、2本塁打、長打率.600、出塁率.474、OPS1.074と打ちまくった26歳は、こう繰り返し漏らしている。

「まぁ正直なところ、あの時のショウヘイ・オオタニは打つのがそれほど難しくはなかった。うん、別にハードじゃなかったよ」

 実際、ゲレーロJr.にとって「投手・大谷」は相性の良い相手だった。ワールドシリーズを含めた過去8打席の対戦で、打率.375、1本塁打、長打率.875、OPS1.319を記録。スモールサンプルながら確かに結果を残していた。「別に難しくない」とするのも当然だった。

 しかし、偉才との対戦を楽観的に捉えていたドミニカンの前で脅威となったのは、ドジャースが誇る、もう一人の日本人投手である山本由伸だった。

 ポストシーズンを通じて山本は、神がかっていた。疲れ知らずで6試合に登板した背番号18は、計37.1イニングを消化。防御率1.45、被打率.174、WHIP0.78の支配力を発揮。ワールドシリーズに限ってみても、第2戦と第6戦に先発して計201球を投げていたにもかかわらず、勝てば優勝が決まる第7戦に、なんと“中0日”で9回からリリーフ登板。見事に3回を無失点で切り抜ける異次元の投球を披露していた。

ワールドシリーズ終了後に涙をこらえながら、ベンチに座るゲレーロJr.。このあとクラブハウス内で彼の涙腺は崩壊した(C)Getty Images

「ヤマモトがタフだったかって? 当たり前だろ」

 まさに異彩を放っていた。そんな身長178センチの小さなエースの存在が、やる気十分だったゲレーロJr.にとって大きな壁となった。

 彼は、興奮気味に振り返っている。

「ヤマモトがタフだったかって? 当たり前だろ。あの男はヤバすぎる。冗談抜きで、文句なしにMVPだと認めるしかなかった! 低めのコーナーも正確に攻めてくるし、膝元めがけてストライクを投げ込んでくる。俺だけじゃなくて、誰に対しても制球力を発揮して圧倒していたからね。本当に脱帽だよ」

 結局、ブルージェイズはワールドシリーズに3勝4敗で敗北。第7戦では、9回2死から“伏兵”ミゲル・ロハスに同点弾を許し、そこから逆転負けを喫する悔しい形となった。

 そんな頂上決戦についてゲレーロJr.は、こうも続けている。

「第7戦で負けた後、俺はかなり打ちのめされて涙を流していた。グラウンド上では、数滴の涙がこぼれただけだったんだけど、クラブハウスに戻ってから完全に崩壊した。俺は、仲間たちを見て、赤ん坊のよう泣いた。そこまでの7か月を共に過ごした仲間たち、チームメイト、監督やコーチ、バットボーイや警備スタッフまでもが一緒に泣いているのを見るのは胸が張り裂ける思いだった。

 本当にそこにいた全員が泣いてるんだ! 同じ痛みを共有して、ようやく立ち上がって外に出たとき、家族たちが待っていた。彼らは俺に拍手しながら、『信じられないほど素晴らしい仕事をした』と言ってくれた。その言葉は、俺にとってとても意味のあるものだった」

 それでも悔いはもうない。「ドジャースとのワールドシリーズは人生最高の時間だったし、絶対に最大限楽しんだ」と語るゲレーロJr.。ブルージェイズと14年総額5億ドル(約730億円)の事実上の“生涯契約”を締結した26歳は、トロントでふたたび頂点を目指す。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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