涙ながらに自身の不貞を明かし、元恋人に謝罪したレグライド(C)Getty Imagesフラれ、時が経ち、冷静さを取り戻し…

涙ながらに自身の不貞を明かし、元恋人に謝罪したレグライド(C)Getty Images
フラれ、時が経ち、冷静さを取り戻した本人は謝罪
全世界に広まった五輪を舞台にした“涙の懺悔”は、大きな反響とともに波紋を生んだ。
日本でも小さくないトピックとなり、その是非が問われたのは、現地時間2月10日に行われたミラノ・コルティナ五輪のバイアスロン男子20キロに出場したストゥルラホルム・レグライド(ノルウェー)の振る舞いだった。
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同種目で銅メダルを手にした28歳は、レース後に実施されたノルウェーの公共放送局『NRK』のフラッシュインタビューで「ある人に伝えたいことがある」と切り出し、「半年前に僕は人生最愛の人に出会った。世界で最も美しく、素晴らしい人だ。しかし3か月前、僕は人生最大の過ちを犯し、彼女を裏切ってしまった」と涙ながらに吐露。自身の不貞を大衆の面前で謝罪したのである。
さらに「多くの人が私のことをこれまでとは違う目で見るようになるだろうが、私には彼女しか見えていません。ここ数日、スポーツは二の次だった」と続けたレグライド。彼としては自分の襟を正しそうとしたのだろう。
しかし、五輪という祭典で、わざわざ自らの不貞行為をカミングアウトした行為は、「場違いだ」と批判が殺到。過去の五輪で計5個の金メダルを獲得しているヨハネス・ティングネス・ベー氏は、『NRK』の番組内で「悔恨の念に駆られたんだろうが、あまりにも不適切なタイミングだ」と断じたほどだった。
はたして意中の彼女からも「今の彼を許すのは難しい。たとえ、世界中の前で私に対する愛の告白をした後だろうと」(ノルウェー紙『VG』より)とフラれたレグライドは、競技から数日の時が過ぎ、冷静さを取り戻したのだろう。大手紙『VG』で「あの時は自分の行動を十分に考えていなかった。巻き込んでしまった全員に謝りたい」と改めて謝罪の弁を述べている。
「あの時は何も理解できていなかった。まるで晴れ渡った空から突然、稲妻が落ちてきたような感覚だった。なぜ自分があんなことをするのかを全く理解できていなかったんだ。とにかく、ずっとショック状態だった。でも、すべてを台無しにしてしまったと言ってもいい。個人的に解決すべきだった」
オリンピック選手も「生きている」
興味深かったのは、当人の謝罪を伝えた『VG』の論説だ。
大衆が見守る五輪の中継内での不貞告白を「自分の暗い考えを胸に秘めておくべきだったと言うのは簡単だ」と指摘した同紙は「往々にして堅苦しい印象を与えるこのスポーツにおいてセンセーショナルな行動だった」とレグライドの振る舞いを改めて回想。
そして、「それは間違った場所において、間違ったタイミングで発せられた、間違った話題だった」と厳しい言葉を投げかけながらも、「恋は盲目。トップアスリートは並外れた精神力を持っているが、彼らとて機械ではないのだ」と説いた。
「オリンピック選手のような著名なスポーツ選手であろうと、誰一人として、『人生』というものと切り離されて生きているわけではない。彼らは良いことをすれば、間違いだって犯す。そして、何より生きているのだ。
大半のアスリートは、強い競争心とメディアに対するトレーニングのおかげで、自分の内なる悪魔を黙らせておける。しかし、レグライドはそれが出来なかった。愛というものが彼を盲目にしてしまった。あの瞬間に彼の心のダムは決壊した。それは愚かで、大きな間違いだった。しかし、同時に非常に人間的であった」
誰でも過ちは犯す。批判にもさらされ、チームにも謝罪をしたというレグライドがここからどう生きるのかを興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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