フィギュアスケート男子の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が11日、13日(日本時間14日未明)のフリーに…
フィギュアスケート男子の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が11日、13日(日本時間14日未明)のフリーに向けた公式練習を行った。前回2022年北京五輪は銀メダルを獲得。SP2位で2大会連続表彰台入りを目指す日本男子のエースは、本場イタリアで披露する勝負曲「トゥーランドット」を新衣装で披露すると予告した。今季ここまで封印してきた4回転フリップも順調で、ミラノの会場を味方につけ、SP1位のマリニン(21)=米国=に挑む。
鍵山が場の空気を支配した。3人で練習した練習用リンク。フリーは現地イタリアの傑作「トゥーランドット」が流れると、ボランティアや整氷スタッフまでもが1歩リンクに近づいた。ジャンプこそ跳ばなかったが、皆が息をのむように見つめた最大の見せ場「イナバウアー」。練習後は「今日は軽め」としながら、壮大な音楽に乗ったコレオシークエンスは圧巻だった。
10日のSPはジャンプにミスが出て2位発進したが状態はいい。この日、練習前に報道陣の数を数えるようなしぐさをした鍵山。「結構、思ったよりメディアの方が多かったので」とテンションを上げた。複数の4回転を確認した練習終盤、報道陣に近いサイドで跳んだのは今季一度も見せていない高難度の4回転ループ。ざわついた大人たちを前に、22歳は「サプライズで。ちょっと、やってみようかなと」。SP1位のマリニンに勝つ秘策かと思われたが「入れはしないです」と、丁重に否定した。
勝負はかける。逆転金メダルに向け、フリーでは衣装を新調すると明言。イメージを問われると「秘密です」とにやりと笑った。今季は青や紫を基調とした落ち着いた印象の衣装だったが「もっと、華やかにしたいと思って。ゴージャスな感じ」。本番まで練習の機会はあるが、初お披露目はフリー本番となりそうだ。
今季ここまで封印してきた4回転フリップも入れる。練習では安定して着氷させ「問題ない」と自信はある。自慢のスケーティング技術にジャンプ、衣装、プログラム全てを結集させて王者、マリニンに挑む。「このプログラムを見て幸せな気持ちになれるように、自分も華やかに、胸を張って笑顔で終われるように頑張りたい」。メダルなら、日本フィギュア最多となる4個目。一番輝く色を目指す。(大谷 翔太)
◆トゥーランドット ミラノ五輪の開会式でも歌唱されたイタリアの作曲家・プッチーニによる名作オペラ。中世の北京・紫禁城を舞台に氷の心を持った王女が心を開くまでの物語。2006年トリノ五輪で荒川静香さんがフリーで演じ、演技後半に代名詞「イナバウアー」を見せて金メダルに輝いた。18年平昌五輪銀の宇野昌磨さんらが使用。衣装はイタリアのファンにウケの良い青色が基調で、今大会のトレンドカラーになりそうだ。