フィギュアスケート男子の鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)が、成長の舞いを見せる。2位発進のショートプログラム…
フィギュアスケート男子の鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)が、成長の舞いを見せる。
2位発進のショートプログラム(SP)から一夜明けた11日(日本時間12日)、本番会場に隣接する練習用リンクで調整。首位マリニン(米国)を5・09点差で追う22年北京五輪銀メダリストは、13日(同14日)のフリーで「トゥーランドット」を滑る。開催地イタリアと縁のある演目に乗せ、悔いのない演技を見せる。
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鍵山がイタリアの名作オペラ「トゥーランドット」に乗せ、壮大に滑り着る。2位で迎えるフリーへ、真っすぐな瞳で決意を口にした。「五輪という舞台でいろいろな人が見てくださる。最初から最後まで全力で滑り切りたい」。新たな歴史をリンクに刻む。
「トゥーランドット」はミラノのスカラ座で100年前に初演。06年トリノ五輪では女子の荒川静香がフリーで滑り、アジア初の金メダルを獲得した。あれから20年。同じイタリアでの五輪に「新しい風を吹き込む挑戦をしたい」と伝説の再現に挑む。13日の本番では、衣装もこれまでの濃い青色から変更。「華やかな感じで五輪カラー。ゴージャスな感じになる」と最後まで細部にこだわる。
フリーで逆転金メダルを狙うには、ミスのないクリーンな演技が必至。この日の練習では余裕を漂わせた。今季初投入する4回転フリップを1本できっちり着氷させ「問題ない」と充実の表情。従来のサルコー、トーループに加え、本番では投入しないループの4回転も披露した。「サプライズです。メディアの方が思ったよりも多かったので」とニヤッと笑った。
今季はフリーでミスが続き、昨年末の全日本選手権では2連覇しながらも悔し涙を流した。これまであふれた感情を、このフリーに全て注ぎ込む。「見た人が幸せな気持ちになれるよう、自分も華やかに、胸を張って、笑顔で終われるように頑張りたい」。曲が盛り上がる終盤には、荒川の代名詞だったイナバウアーも組み込む。北京五輪銀メダルから4年。勝負のプログラムで成長を示す。【藤塚大輔】
◆荒川静香の06年トリノ五輪VTR フリーではシーズン途中から使用した「トゥーランドット」に乗せ、SP3位から0・71点差を逆転して金メダル。両足のつま先を180度開き、上体を後ろに反らせながら滑る「イナバウアー」は同年の流行語大賞となった。