(11日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉ノルディック複合個人ノーマルヒル) ノルディック複合の距離会場には…
(11日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉ノルディック複合個人ノーマルヒル)
ノルディック複合の距離会場には空席が目立った。それでも、日本勢最高の11位でゴールした渡部暁斗の肌感覚は違う。6大会連続で出場した晴れ舞台。「観客はオリンピックの中では結構入っている方かなと思った。ジャンプ台もそうだし、クロカン(距離)会場も」
この種目は今、五輪種目として瀬戸際に追い込まれている。国際オリンピック委員会(IOC)は今大会後、実施種目から外すか継続するかを判断する見通しだ。
除外候補に上がった理由として、強豪国の顔ぶれや視聴率の低さが挙げられる。
この日は前半ジャンプで、エストニアの選手がトップに立ち、この種目で同国初となるメダルの期待も高まったが、後半距離で失速。表彰台に上がったのは1位から順にノルウェー、オーストリア、フィンランドと常連の国々だった。
渡部暁はレース後、視察に来たIOCのコベントリー会長とあいさつを交わした。「(観客数から)視聴率は取れます、とアピールできたと思うし、レース自体も面白かった。会長の目にも入って面白いと思ってもらえればノルディック複合の将来はちょっと明るくなるのかな、と」。今季限りでの引退をすでに表明し、五輪は今大会が最後となる。人生を懸けてきた種目の存続に向け、もう一つの「闘い」も始まった。(笠井正基)