なぜ? どうして? これを知ればミラノ・コルティナオリンピック(五輪)の観戦がもっと楽しくなる。今回は日本勢の躍進が期待…

なぜ? どうして? これを知ればミラノ・コルティナオリンピック(五輪)の観戦がもっと楽しくなる。今回は日本勢の躍進が期待されるスノーボード・ハーフパイプ(HP)の試合形式と判定方法を紹介します。

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ただ、技の難易度だけで競い合う競技ではない。より高く、美しく、スタイリッシュに見せられるか-。

2022年北京五輪で金メダルをつかんだ平野歩夢(TOKIOインカラミ)や同10位の戸塚優斗(ヨネックス)らによるハイレベルな争いが予想され、「日本の新たなお家芸」になりつつあるHP。

選手たちはパイプを半分にカットしたような斜面を滑りながら、左右の壁を利用して5、6本のトリック(技)を披露する。

予選は全員が2本ずつ滑ってどちらかの高得点で決勝進出者12人を決定。決勝は3本ずつ滑って、最も高い点数を採用し、最終順位を決める。つまり、1度は失敗しても、問題はない。一発逆転も十分狙える。

ただ、フィギュアスケートの基礎点のようなトリックに対しての得点はない。

同じトリックでも高さや速度、グラブ(手でボードをつかむ)の有無、さらにグラブの位置や長さも採点の対象。回転数が少なくても、技の多様性があれば高く評価される場合もある。トリックまでの滑らかな流れやつなぎ目もポイントとなる。

前回大会では平野が、五輪史上初となる大技のフロントサイドトリプルコーク1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)を成功させ、世界の頂を極めた。

しかし、4年後の今では、回転数やひねりなどを複雑に組み合わせたトリプルコーク(縦3回転)級のトリックが当たり前に。ただ高難度の技を成功させるだけでは勝てない世界に進化している。

選手のコンディションだけではなく、気温、雪質、風の影響も強く受ける。その中でも、「誰もやったことがない」探究心にあふれた刺激的なトリックをクールに決めてジャッジたちの心を震わせられるかが、勝負の分け目となる。

北京大会の平野のように今回も新技が成功すれば、実況アナウンサーが「人類史上最高難度」と叫んだような“名実況”が生まれるかもしれない。