(10日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート男子ショートプログラム) 本番5時間前にあった公…

 (10日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート男子ショートプログラム)

 本番5時間前にあった公式練習に、イリア・マリニンは姿を見せなかった。

 会場に緊張が走る。が、別のリンクですでに体を動かしていた。公式の時間は「ベッドで横になりたくて」。

 体を休めてためた力を、本番で解放した。

 高さのあるジャンプを並べ、最後の4回転ルッツ―3回転トーループを決めると、ガッツポーズをつくった。3日前の団体のショートプログラム(SP)の時「(状態は)50%くらい」と語ったのは冗談ではなかった。「段階的に負荷を上げて、今は自分が到達したい状態に来たと感じる」。団体で出したスコアから10点以上も積み増した。

 世界選手権2連覇中の王者だが、五輪は初出場。21歳は団体で、五輪のプレッシャーを実感した。「正直、あそこまでとは思わなかった」。ただ、それが楽しかった。

 「たくさんの視線と重圧を受けると、練習の時とは違う『本当の自分』が見えるんです。この舞台が大好きです」

 好発進はしたが、「(フリーで)人生最高の演技をしなければ、金メダルは手に入らない」。気を緩めるつもりはない。(内田快)