ブンデスリーガ第12節、ホッフェンハイム対フランクフルトの一戦は1-1のドローに終わった。この試合、長谷部誠(フランク…

 ブンデスリーガ第12節、ホッフェンハイム対フランクフルトの一戦は1-1のドローに終わった。この試合、長谷部誠(フランクフルト)は後半15分からピッチに立っている。先発を外れた理由は、ケガの状態と代表戦疲れを考慮しての「30分出場」と思われる。



日本代表から戻り、ホッフェンハイム戦の後半15分から出場した長谷部誠

 日本代表はブラジル、ベルギーに2連敗。こういう試合を振り返るときには、指揮官のコメントを紐解いてみるのが常道だが、ハリルホジッチのそれはどうにも心もとない。1-3で敗れたブラジル戦後には「後半は勝っていた」と言い、ベルギー戦前日の記者会見では「今回の試合で、初めてブラジルが強いと気づいた人もいるのでは?」と言った。そして例によって、自らの成果と選手のフィジカル面の難にばかり言及する。どこまで本気で、どこまでハッタリなのか、見定めるのは難しい。

 そうなるとキャプテンの出番だろう。ブラジル戦では長友佑都、ベルギー戦では吉田麻也がその役を担った。だが、全体的な総括を求めるとなると、やはり長谷部誠の話の説得力は群を抜いていると感じざるを得ない。長らく代表のキャプテンとしてキャリアを積んできたためか、そもそも個人的に持ち合わせている能力なのか、物事を俯瞰して話してくれるのだ。

 その長谷部はハリルホジッチについて、「監督と話をしにいくと話が長くなるからといって、話をしないのは間違っていると思う。僕は僕なりに短く切り上げる術(すべ)を身につけている」と、茶目っ気たっぷりに話して報道陣を笑わせた。相手に主導権を渡して長々と話を聞かされるのではなく、適度な距離感が必要だということだろう。若い選手たちにはないこの余裕は、たとえキャプテンマークをつけていなくても、チームの中心であることをあらためて感じさせた。

 ただ、その長谷部はブラジル戦では後半25分までの出場。ベルギー戦の出場はなかった。振り返れば10月の代表戦には選出されておらず、9月のW杯予選も、オーストラリア戦にはフル出場したものの、続くサウジアラビア戦には同行せず、フランクフルトに戻っている。ブラジル戦からベルギー戦までの間は別メニュー調整が続き、「自分としてはベルギー戦の出場は可能だが、最終的には監督が判断すること」「(コンディションについて)代表とクラブは話し合っている」と語っていた。

 つまり、18日のホッフェンハイム戦まで含めて、約1週間の間に3試合をこなすのは、現状では難しいということだ。手術した右膝の状態が万全ではないと考えるのが自然だろう。長距離移動による身体への負担もなく、時差の心配もないドイツの隣国での2試合でさえ、これほど気を使わなくてはならないというのが偽らざる現状なのだ。

 フランクフルトにおける長谷部の存在感は、日本代表と同じかそれ以上に大きい。ホッフェンハイム戦より前は最終ラインのリベロ、もしくはボランチで、先発した試合は常にフル出場している。 10月21日のドルトムント戦にフル出場した後、長谷部は自身の膝について次のように言及している。

「(足の状態?)今は大丈夫ですね。まあ、よかったり悪かったりするので、僕も膝に機嫌を聞かないとわからない部分もあるんですけどね(笑)。リアクション(試合の影響)が出たりするというのはあります。こればっかりは毎回同じシチュエーションじゃないので、なんとも言えないんですけど。(10月の代表戦に不参加となり)あそこでしっかり休めたのは大きかったと思いますけど、だからといって完全によくなったわけでもなく、そのへんは様子を見ながら、という感じですね」

 ドルトムント戦の翌週のマインツ戦は、やはり何らかの故障がありベンチ外となった。負荷をかければ、そのぶん回復に時間がかかるということなのだろう。来年のロシアW杯でのグループリーグ3試合、それぞれ試合の間隔が1週間ずつ空くということはない。長谷部が3試合にフル出場するというのは、少なくとも現在の状態では難しいということになる。

「(現在の代表にとって)強豪との対戦は初めてだった。前回大会前はコンフェデ杯も戦いましたから。この2試合は若い選手たちにとって、本当に貴重だったと感じています」

 ベルギー戦後、長谷部は今回の日本代表の2連戦をこう振り返った。その”若い選手”たちには、指揮官と余裕を持って対峙することなど、もちろんできないだろう。それは長谷部の存在感の大きさと、そのコンディションへの不安を感じさせる2試合でもあった。