なぜ? どうして? これを知ればミラノ・コルティナオリンピック(五輪)の観戦がもっと楽しくなる。今回はスピードスケート・…
なぜ? どうして? これを知ればミラノ・コルティナオリンピック(五輪)の観戦がもっと楽しくなる。今回はスピードスケート・ショートトラックの付き物である「転倒」について紹介します。
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フィギュアスケートと同じ広さである縦60メートル、横30メートルのリンク内で、1周111・12メートルのトラックをハイスピードでぐるぐると滑走するショートトラック。「スケートで最もスリリングな競技」とも言われるように、レース中は目まぐるしい順位変動、コースの奪い合いで選手同士による接触もある。中でも「転倒」は見る者をゾクッとさせる。
フィニッシュ時は1000分の1秒まで計測。レース中はどこでも追い越しが可能だが、前の選手を押したり、引っ張ったりするなどの妨害行為は失格の対象となる。それでも、選手たちはわずかなスペースを狙って前方の相手を抜いて一瞬の逆転劇を夢見る。
常に火花を散らす高速レースでは接触や転倒がつきもの。選手はヘルメットや手袋、膝当て、衝撃から胴体を守るプロテクターなどの着用が義務づけられている。これらの不備があった場合は失格対象となる。
さらに五輪では転倒した選手のダメージ軽減のため、リンクボードの代わりに防護マットを設置するなど安全対策も取られている。
アスリートたちもレース前からそれぞれ独自の準備をしている。「スケートの神様はわりといると思う」と、ある選手は日常生活でも目についたゴミは拾っていれば、転倒時に背中側にマットがつくように日々、受け身の練習をする選手もいるという。
2002年ソルトレークシティー五輪男子1000メートル決勝では、ブラッドバリー(オーストラリア)が最後尾を滑走。しかし、前方の4人全員が残り1周で転倒し、金メダルをつかんだミラクル劇もあった。
紙一重の勝負だが、運を味方につけるため、選手たちも日々、万全の準備を重ねている。