「わからなくなっていた感覚を昨季終盤に思い出した」 相川亮二新監督が就任し意気上がる“新生”DeNAだが、その実態は、リ…
「わからなくなっていた感覚を昨季終盤に思い出した」
相川亮二新監督が就任し意気上がる“新生”DeNAだが、その実態は、リーグ2位となった昨季のメンバーからアンドレ・ジャクソン投手(ロッテ)ら先発ローテーションの柱を形成していた外国人投手3人が一気に抜け、球界随一の破壊力を誇る打線からも2024年首位打者のタイラー・オースティン内野手(カブス)、ガッツマンの桑原将志外野手らが流出。不安を抱えているファンも多い。しかし、沖縄・宜野湾市で1軍キャンプを視察した球団OBは、閃光のような明るい兆しを感じ取った。
現役時代に横浜(現DeNA)、阪神など4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が9日、宜野湾キャンプを訪問。筒香嘉智内野手と佐野恵太外野手のフリー打撃に釘付けとなった。
「2人ともスイングが力強く、とらえ方もしっかりしていました。昨季とは全く違う状態であることがすぐにわかりました」。目を見張った野口氏は「2人で今年のセ・リーグ打撃3部門のタイトル(本塁打王、打点王、首位打者)を総なめにしてもおかしくありません」と言い切った。
いまや34歳のベテランとなった筒香は、米挑戦後に苦闘。一昨年4月にDeNA復帰を果たすも、往年ほどの輝きは取り戻せていない。ただ、昨年8月に月間打率.355、8本塁打12打点をマークするなど、復活の気配も漂わせていた。
筒香は野口氏に「アメリカから戻ってきて以来分からなくなっていた打撃の感覚を、昨季の終盤に思い出しました」と手応えを明かしたという。セ・リーグでは昨季、阪神・佐藤輝明内野手が40本塁打・102打点をマークし“1強”状態で2冠に輝いた。「今年は復活した筒香が“ストップ・ザ・サトテル”の一番手になると思います」と予想する。
「めちゃくちゃ動きがいい」佐野が2度目の首位打者を狙える根拠
31歳の佐野も表情が明るい。2020年に打率.328で初めて首位打者に輝くなど、3年連続3割をマークしていたが、2023年以降は“大台”に遠く及ばない成績が続いている。
野口氏は「田代富雄巡回打撃育成コーチによると、今年の佐野は体重を落とさずに体脂肪を落とす調整法が功を奏し、ウオーミングアップの段階からめちゃくちゃ動きがいいそうです」と説明。「もともとインコースのさばき方は天下一品ですから、2度目の首位打者を狙えると思います」と太鼓判を押した。
近年の日本球界は“投高打低”の傾向が強く、昨季のセ・リーグでも、規定打席をクリアした上で3割台の打率を残したのは、首位打者の広島・小園海斗内野手(.309)と巨人・泉口友汰内野手(.301)の2人だけだった。そんな状況から佐野が抜け出してくる可能性は十分ありそうだ。
DeNA打線は昨季、リーグ最多の年間510得点を挙げた。オースティン、桑原らが流出したが、野口氏は「もともと打線に関しては戦力がダブつき気味でしたし、誰かが故障や不振で不在のケースも多かった。今年は宮崎(敏郎内野手)、牧(秀悟内野手)を含めた“コア4(フォー)”の状態がそろって非常に良さそうです。このままいけば、打線の破壊力はむしろ昨季を上回るのではないかと思います」と力説する。
宜野湾キャンプ視察を通して野口氏は「今年も“打倒阪神”の一番手はDeNA」との印象を持ったという。2024年にシーズン3位から下剋上で日本シリーズ制覇まで駆け上がったDeNAだが、1998年以来のリーグ優勝は宿題として残ったまま。28年ぶりの栄冠に手が届くか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)