11年ぶりに日本球界に復帰した楽天の前田健太投手(37)が9日までにデイリースポーツの単独インタビューに応じた。キャン…

 11年ぶりに日本球界に復帰した楽天の前田健太投手(37)が9日までにデイリースポーツの単独インタビューに応じた。キャンプでは初日にブルペン入りするなど、精力的に練習をこなしている。なぜ、このタイミングで帰ってきたのか。そこには「最後は日本で」という熱い思いがあった。昨季はメジャー未勝利に終わったが、ベテランと呼ばれる世代になりながらも復活への自信も口にした。目標は日本一。「マエケンさん」の心の内を直撃した。

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 -11年ぶりの日本でのキャンプ。多くのファンの前での練習は。

 「楽しむことができています。新しいチーム、新しいスタートなので新鮮な気持ちですし、ベテランと言われる年齢で帰って来ましたけど、ゼロからのスタートという環境だったので、ルーキーの時のような気持ちというか、若い時の気持ちを思い出しながら野球ができている」

 -昨季は米大リーグのタイガースで7試合の登板に終わった。その後、マイナー2球団を渡り歩く悔しいシーズンだった。

 「この年齢になってハングリー精神的なものを味わえたのは、すごく良かった。知られていないかもしれないですけどマイナーリーグの先発は基本、中4日か中5日なんですよ。ずっとローテーションを守ってきたので(楽天で)先発をする土台は築けたと思います」

 -昨季は2021年のトミー・ジョン手術以降では最速となる152キロも出た。「最後は自信を持ってマウンドに上がれた」と話していたが、修正点は。

 「完全にフォームですね。『こういうふうに投げてみたら』と言われて試したのが合わなかったことが一番なんですけど、そこから修正するのに時間がかかった。夏場ぐらいから徐々に自分を取り戻すことができた。しっかりしたフォームで投げられればスピードが出るのは分かっていた。(広島時代の)MAXも152キロぐらいだった。平均球速も変わっていないと思います」

 -30代半ばを過ぎても若いころと変わらない球速が出せる秘訣(ひけつ)は。

 「体をしっかり鍛えて、筋力的にも衰えたりする部分にあらがえるように、さらにパワーアップできるように。年齢が上がっても逆にスピードを上げたいとか、もっと良くなりたいという気持ちでトレーニングしています」

 -「最後は日本球界で」と思ったのはいつ頃か。

 「実はメジャー挑戦の時から決めていました。でも1年目から『帰る、帰る』って言うのも(違う)。アメリカに行ったからにはアメリカで勝負することに集中していました」

 -それがこのタイミングになった。

 「いつになるのかという明確なものはなかったんですが、最初の契約が8年間だったので先が長すぎて。8年契約が終わった時に、アメリカでの自分の評価をもう一度きちんと知りたいというところで、アメリカのフリーエージェント(FA)市場に出て2年契約をしていただいた。その2年が終わったら、ちょうど10年。日本に帰るタイミングで、自分がしっかり投げられる状態というのも考えると、このタイミングかなと。タイガースから2年契約のオファーを受けた時に、これが終わったら帰ろうと決めました」

 -「最後は日本で」と思った理由は。

 「日本でデビューして、ファンの人に応援してもらって期待してもらって、頑張ってこられた。あとは若い時、引退試合をしてもらえる選手になりたいと思っていた。その頃は一流選手しか引退試合はやってもらえなかったので、ずっと目標でもあった。そういう意味では、いい花道と言うとあれですけど、日本で最後を終えたいなとずっと思っていました」

 -目標は日本一と公言しているが、個人的な目標は。

 「日本にいる時は、去年はこうだったから今年はこうしたいとかあったんですが、久しぶりに帰ってきたので細かい数字の目標を立てるのがすごく難しい。ただ、昨年イーグルスに規定投球回(到達)と2桁勝利がいなかったということで、そこはクリアしないといけない。先発陣がしっかり投げないとチームの勝利、リーグ優勝、日本一は絶対に見えてこない。他のピッチャーもみんなでクリアしていきたい」

 -日本でリーグ優勝、日本一を経験せずに米球界に移籍した。その翌年から広島が3連覇。複雑な心境だったのでは。

 「そうですね。最初の頃は、すごくね。でもカープの優勝というのは僕自身もうれしかった。『自分がいないのに』というよりも、一緒に戦っていた仲間と喜びたかったという思いが強かった。ただ、僕もアメリカに行って地区優勝は7回ぐらい、『もうシャンパンファイトも飽きた』と言えるぐらいやらせてもらったので、そこまで『カープの優勝が』と思わなくなった。でも日本に戻ってきたからには、チームメートと喜びを分かち合いたい。イーグルスもBクラスが続いているので、日本一を目指してみんなと頑張りたい」

 -今度は初めてのビールかけ。

 「ビールかけしたいですね。そうですね、やったことがないので。日本でやりたいですね」

 ◆前田 健太(まえだ・けんた)1988年4月11日生まれ、37歳。大阪府出身。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。投手。PL学園から06年度高校生ドラフト1巡目で広島入団。12年4月6日、DeNA戦でノーヒットノーラン。沢村賞2度(10、15年)ベストナイン3度(10、13、15年)ゴールデングラブ賞5度(10、12~15年)。16年にポスティングシステムを利用しドジャースと契約。20年ツインズ、24年タイガースへ移籍。25年途中にカブスやヤンキースと契約。

 【今キャンプのマエケン】

 11年ぶりの日本球界でのキャンプ。前田健は8日の第2クール終了までに4度ブルペンに入った。全力投球でのデータを計測した6日のブルペンでは148キロを記録。「状態はいいですね」と順調さを強調した。

 「自分の力感的にスピードがちゃんと出ているので安心できる。ここで出なかったから『もっと頑張らないと』となるんですけど、しっかり出たので落ち着いて練習できる」。投げた感覚とスピードの一致。この時期での及第点をつけた。

 今後は打者を相手にした投球に移行する。日本の打者を分析し、NPB球に戻っての変化球の精度、ストライクゾーンなど細かいところまで確認。実戦的な取り組みをこなして、開幕に向けて仕上げていく。