演技に身が入らなかったというグレン(C)Getty Images 決して平常心ではいられない状況に立たされていた。現地時…

演技に身が入らなかったというグレン(C)Getty Images
決して平常心ではいられない状況に立たされていた。現地時間2月8日に行われたミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート団体戦の女子フリーに出場したアンバー・グレン(米国)だ。
全米選手権3連覇中の名手は精彩を欠いた。米紙『USA Today』の取材で「とてもベストの状態ではなかった」と語ったように、トリプルアクセル(3回転半)がやや乱れるなど氷上で精彩を欠き、合計138.62点と伸び悩んだ。対照的に会心の演技で148.62点を記録した坂本花織に上回られ、アメリカも日本に得点で並ばれた。
チームは日本に1ポイント差で競り勝ち、金メダルに輝いた。だが、グレンの声色は暗い。そこには舞台裏で苛まれていた想像を絶する経験が大きく影響していた。
大会直前、同性愛者であること、そしてLGBTQ+コミュニティーへの支持を公表しているグレンは、取り締まりが厳しくなる一方のドナルド・トランプ大統領の政策について「今、私たちは困難な時期にある。だから、私の発信力を使って、コミュニティーにいる人たちが力強くいられるように勇気づけたい」とコメント。国内情勢への複雑な想いを語るとともに、トランプ政策に異論を唱えた。
「『君はただのアスリートなんだから、仕事に集中して政治の話は黙ってろ』って言う人が多いのは分かっているけど、政治は私たち全員に影響する。政治は私たちの日常生活にも関係するんだから、黙っていられるわけがない」
ただ、強気な主張は、反発を招いた。自身のインスタグラムで「自分の気持ちを聞かれて声を上げただけで、恐ろしいほどのヘイトや脅迫を受けた」と明かしたグレンは、フリーに臨んだ際の心境を『USA Today』に告白している。
「ただコミュニティーにいる人々を支持しただけで、あれだけの数の荒唐無稽な反発を受けるなんて信じられなかった。あんなにも多くの人が私に危害を加えようとしたことは今までなかったし、あれは本当に残念だった。作品への熱意をかなり冷めさせたと思う」
ライバルであった坂本と激闘を演じたグレンは、相当な量の中傷に心を痛めながら戦っていた。そのことは頭に留めておきたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「日本が上だと思った」フィギュア日本の涙の2位に広まった同情 欧州メディアは米国との1点差を疑問視「マリニンは完璧ではなかった」【冬季五輪】
【関連記事】「もし選ばれても次は辞退して」――涙で棄権を決断した近藤心音が怒り 心無い声に本音「私の目の前で言ってみてください」【冬季五輪】
【関連記事】「破壊力えぐい」ロコ・ソラーレ藤沢五月の“ホワイトコーデ”にネット衝撃「別人やん」「女優さんかと」【冬季五輪】