デイリースポーツ制定「2025年度ホワイトベア・スポーツ賞」の表彰式が9日、東京・内幸町の日本プレスセンタービルで行わ…
デイリースポーツ制定「2025年度ホワイトベア・スポーツ賞」の表彰式が9日、東京・内幸町の日本プレスセンタービルで行われた。昨年10月に行われた体操の世界選手権女子種目別床運動で金メダル、平均台で銅メダルを獲得した杉原愛子(26)=TRyAS=と、昨年8月に開かれた新体操の世界選手権団体総合で同種目初の金メダルを獲得した日本代表(鈴木歩佳、稲木李菜子、田口久乃、西本愛実、花村夏実、三好初音)が受賞。ともに1999年生まれの杉原と昨年10月に引退した前主将の鈴木さん(ミキハウス)が喜びを語った。表彰式では、藤谷稔デイリースポーツ代表取締役社長から表彰盾、奨励金、シロクマのぬいぐるみが手渡された。
現役生活最後の大会で手にした勲章の証をシロクマのぬいぐるみにかけると、ふっと表情が緩んだ。チームを代表して出席した鈴木さんは「すごくうれしい。半年ぐらい前の話だけど、『あの時こういう気持ちだったな』って世界選手権を思い出した」と喜びを口にした。フェアリージャパンが、新体操で初受賞。団体競技としては、特別賞を受賞した2019年ラグビーW杯日本代表以来となった。
リオデジャネイロで行われた世界選手権団体総合で同種目初の金メダルを獲得。温暖な地域とマッチする沖縄の音楽を採用し「海外の選手も、好きな曲と言っていた」と、異例の選曲がハマった。暫定1位とし、残りの強豪の演技を待つ時間にはフロアのごみ拾い。立つ鳥跡を濁さずの精神で歓喜の瞬間を迎えた。
どん底からの優勝だった。主将として、2024年のパリ五輪出場を逃し「当時は目の前が真っ暗になった。99%引退と決めていた」と振り返る。だが、周囲の慰留と約2カ月の夏休み期間を経て「1%にかけてみようかな」と再起。はい上がった先に栄冠をつかんだ。
主将として団体競技ならではの苦悩もあった。最年少の三好は鈴木の10歳年下。年齢幅が広いチームの意思を合わせることは決して容易ではない。心を鬼にし、時には「やりたくないんだったら、やめればいい」と、仲間に厳しい言葉もかけた。同時に私生活ではTikTokで流行を勉強。互いに歩み寄り、チームは結束した。
元競技者として、ミラノ・コルティナ五輪の出場者にもエールを送った。フリースタイルスキー男子モーグルの堀島行真(トヨタ自動車)は同郷岐阜県出身。同じ練習場で励む姿を目にしていたといい「ぜひ金メダルを取ってほしい」とはにかんだ。
後輩に送る言葉は明確だ。「どん底を経験したからこそ上に立てる。乗り越えるか、乗り越えないかは自分次第。夢や目標があるなら絶対に諦めないでほしい」。ロサンゼルス五輪に挑む妖精たちを先輩が優しい目で見守っていく。
◇鈴木歩佳(すずき・あゆか)1999年9月27日、岐阜県出身。15年から日本代表入りし、25年は主将を務めた。21年東京五輪は団体8位。25年10月に引退を発表した。日体大卒。165センチ。
◇稲木李菜子(いなき・りなこ)2003年4月22日、熊本県出身。18年から日本代表入り。東京五輪はリザーブだった。25年10月に引退を発表。国士舘大。160センチ。
◇田口久乃(たぐち・ひさの)2006年9月15日、千葉県出身。あずさ第一高から東女体大に進学した。163センチ。
◇西本愛実(にしもと・めぐみ)2007年9月26日、愛媛県出身。小学生から新体操を始めた。昭和学院高。163センチ。
◇花村夏実(はなむら・なつみ)2008年7月12日、長野県出身。3歳から新体操を始めた。松本国際高。169センチ。
◇三好初音(みよし・はつね)2009年6月25日、香川県出身。25年世界選手権ではチーム最年少。観音寺総合高。165センチ。