NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第5節2026…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月7日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス 14-16 花園近鉄ライナーズ

チーム、ファン、家族……すべての人に支えられて。3度目の移籍先での成長と変わらぬ感謝


今季から花園近鉄ライナーズに加入した牧野内翔馬選手。この試合でようやく出場を果たすことができた

今節、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)でのファーストキャップを飾った牧野内翔馬は、晴れやかな表情で「感謝」の2文字を口にした。

「若いときは自分のために頑張っていたんですけど、いま、プレーできているのは周りのみんなのおかげです。しっかり感謝を表現するなら、やっぱりそれは試合じゃないといけないんで。プレッシャーはあるんですけど頑張ろうと思っています」

今季、豊田自動織機シャトルズ愛知から加入し、第5節でようやく初出場の舞台をつかんだ。「なかなかメンバーに入れなくて、けっこう、気持ち的には折れそうなときもありました。同じポジションの選手が、みんな非常に良いプレーをするので。でも、自分はもう若手じゃないし、やれることをずっと準備して、やれる仕事をして、それで今回メンバーに選んでもらいました」。

出場できない理由を外的な要因に探すのではなく、自身に矢印を向けて取り組む。大学を卒業してから、トップリーグを含めて10年のキャリアがある選手の強い芯が垣間見えた。

それでも、新天地でチャンスが得られない時間というのは想像を絶する不安があるはずだ。そんな牧野内をたくさんの人が支えてくれた。その筆頭に、昨季で現役を引退し、今季から花園Lのフォワードコーチに就任した村田毅氏を挙げる。

「これを改善したほうがいいなっていうのも分かりやすく言ってくれるので、自分の課題も明確になります。自分は『毎日伸びている、進歩できているな』と実感しています」

村田フォワードコーチは、毎回練習が終わると翌朝には各選手に明確に課題を伝えてくれるという。ミスや課題を突きつけられながらも、その具体的で前向きな伝え方のおかげでいまでも成長を感じられている。実際に、難易度の高いラインアウトのコールも強みとなり、評価につながっている手ごたえがある。

今回の移籍は、自身3度目。その旅路に文句一つ言わず付いてきてくれる妻の存在にも救われている。愛知で培ってきたコミュニティーを離れ、慣れない土地で幼い二人の息子を育てながら、牧野内がリラックスできる場所を守り続けてくれた。「家に帰るのが楽しいんです」。そう笑う父親の目下の夢は、最近ラグビーのことを理解し始めた長男の「記憶に残るまで」現役でプレーすることだ。

高校生のころ、夢にまで見た聖地・東大阪市花園ラグビー場。そこに「いまもワクワクしながら」通って練習に励み、目の肥えたファンの期待を背負って、牧野内は新たな挑戦を始めた。「9割はしんどい。でも、試合に出る1割の楽しさのために頑張れる」。この日つかみ取ったファーストキャップという名の切符は、ゴールではなく、次へとつなぐための通過点。その終点までの道のりで、たくさんの景色が待っているはずだ。

(奥田明日美)

清水建設江東ブルーシャークス


清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、安達航洋キャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督兼チームディレクター

「まず、試合開催にあたり、多くの関係者の皆さまにご尽力いただき、誠にありがとうございました。また、この寒い中、遠方からお越しいただいた花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)の皆さまにも感謝申し上げます。

試合の総括としては、『勝てた試合だった』という、その一言に尽きると思っています。内容的には、すべての部分でわれわれが上回っていたと感じていますし、明確に負けていた部分はなかったと思います。ただ、長く上のカテゴリーで実績を積んできた花園Lの、最後の執念や気持ちの部分、そこが最終的に結果として表れたのかなと感じています。一方で、ポジティブな内容も非常に多い試合でした。この敗戦をしっかり反省し、糧にしながら、一戦一戦チャレンジしていきたいと思います。次は豊田自動織機シャトルズ愛知戦になりますので、しっかり準備して臨みます。本日はありがとうございました」

──昨季の花園L戦と比べて、成長を感じた点はどこでしょうか。

「昨季は、花園Lと試合をする上で、格上のチームなので『チャレンジ』という言葉を常々使いながら戦っていました。ただ、今季は4連勝してこの試合を迎え、『チャレンジ』という言葉はあえて使いませんでした。同等だという認識で試合に臨んでいました。このレベルを超えないと、われわれが目指すディビジョン1昇格は絶対にできません。今日は負けてしまいましたが、次の試合では必ず勝ちたいです。昨季勝利した東大阪市花園ラグビー場で、しっかり勝ち切りたいと思っています」

清水建設江東ブルーシャークス
安達航洋キャプテン

「本日はありがとうございました。ゲームプランとしては、セットピースとフィジカルの当たる局面でプレッシャーを掛けていこうという話をしていました。前半からその部分はしっかり遂行できたと感じています。ただ、取れる場面で得点を取り切れなかったことが、最後に1本差で負けてしまった要因だと思います。逆に花園Lは、取れるところで確実に点を取ってきて、その差が結果として出たのかなと感じています。リーグ戦はまだ続きますので、取り切るという部分を大きな課題としてもちながら、次の試合に向けて準備していきたいと思います」

──チームとして初めてD2での全勝同士の対戦となりましたが、メンタル面はいかがでしたか。

「全勝同士で、D2で一番強いとされている花園Lと対戦できるということで、チーム全体としてワクワクしていました。3週間しっかり準備する時間もあり、チームが同じ方向を向いて試合に入れたと思います。実際、それが試合に出ていたと思いますし、感覚としても『全然負けていない』という感覚があります。もう一度、ビジターで花園Lと対戦する機会がありますので、そこでやり返したいと思っています」

花園近鉄ライナーズ


花園近鉄ライナーズの太田春樹監督(左)、ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン

花園近鉄ライナーズ
太田春樹監督

「本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。またビジターにもかかわらず、素晴らしい環境を整えていただいたことに感謝しています。さらに、極寒の中でたくさんのファンのみなさんが駆け付けて応援していただきました。ありがとうございました。試合を振り返ると、最後に勝ち切れたことは非常にポジティブですが、内容としてはまだまだ課題が多く、今後に向けて修正すべき点がはっきりと見えた試合でした。しっかりと振り返り、次の試合に向けて修正していきたいと思います」

──首位を走る中で、優勝に向けてどのような意気込みでしょうか。

「意気込みというよりも、現実的な話になりますが、今日は先週からメンバーを10人以上入れ替えました。その中で、入れ替わった選手たちが非常に良いプレーをしてくれましたし、チームとしての成長も感じています。まだ成長途中ではありますが、まずは選手たちがしっかりと頑張ってくれていると思います。優勝については、先のことを意識し過ぎることなく、一戦一戦を大切に戦っていきたいです」

花園近鉄ライナーズ
ピーター・ウマガ=ジェンセン 共同キャプテン

「試合の中で、われわれは少し雑になってしまったと感じています。相手にセットピースをターゲットにされ、空中戦、ラインアウト、ブレイクダウンでも劣勢に立たされ、モメンタム(勢い)を一気にもっていかれそうな場面が多くありました。その中でも、完全に流れを渡さず、最後まで食らい付けたことは評価できると思います。最後、(河村)謙尚のトライがあって勝ちはしたのですが、やはりブレイクダウンや空中戦では負けていました。それでも勝ち切れたことは良かったです」

──長い時間リードされる展開の中で、引き離されなかった要因はなんでしょうか。

「ディフェンスでは粘れたと思いますし、相手のモメンタムをスローダウンさせることはできていました。ただそのぶん、フォワードに負担を掛け過ぎてしまったとも感じています。敵陣に入ってからもフォワードに多くの仕事をさせてしまいました。バックスがもっとサポートできた場面もあったと思います」