NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第7節(交流戦…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2026年2月7日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 横浜キヤノンイーグルス

「自分自身が灯台になる」。苦境にも選手を守り、前を向く世界的名将


トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ。「自分自身が灯台となって、このチームの未来を見せていく」

開幕戦で勝利したあとに6連敗を喫し、順位は最下位まで落ちた。過去に4度ワールドラグビーの年間最優秀監督賞を受賞しているスティーブ・ハンセン ヘッドコーチにとっても想定外の苦境と言えるだろう。それでもハンセン ヘッドコーチは「コーチングをしていて、すべてが思いどおりいったことは一度もありません。だからこそ自分自身が灯台となって、このチームの未来を見せていく必要があると思っています」と語り、厳しい状況でも先頭に立ち続ける姿勢を崩さない。

この世界的な名将の言葉の端々からはチームへの愛情と、日本ラグビーへのリスペクトを感じることができる。記者会見でもキャプテンの姫野和樹にボールが渡った流れでノーサイドとなった場面について質問が及ぶと、ハンセン ヘッドコーチは「最後に選手が姫野のところに駆け寄ったということは、どれだけ彼らが姫野のことを大事にしているのかを示しています。うまくいかなくなると人に指差すこともありますが、このチームを誇りに思う理由はそれをしないからです」と、キャプテンを守るように口を添えた。どれだけ立場が上でも怒鳴ったり威圧的な態度は取ったりせず、常にトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)を良くする方法を考え続けている。

「リーグワンでは一瞬のミスも許されないような激しい競争が行われています。そういう現状の中で、また月曜日には次のゲームに対しての準備が始まるのは変わりません。われわれがやるべきことは団結し高い基準をもちながら成長しチャレンジすること。そしてその中でわれわれがやっているハードワークをどれだけエンジョイできるかが必要だと思います」

この苦境は複合的な理由から生まれている。そして選手たちだけでなくこの世界的名将ももがき苦しみながら前を向く。

「いま、選手がチームを改善するためにとっている行動を私は誇りに思っています。とはいえ変化というものはすぐに起こるわけではありません。いつかチームが強くなったときにいまの苦しい時期を思い出してさらに強くなる。必ずトヨタVは勝つチームになりますし、勝ち続けるチームになると思います」

(斎藤孝一)

トヨタヴェルブリッツ


トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ(右)、姫野和樹キャプテン

トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ

「今日の試合では、若い選手たちを含め、チームが見せた努力を誇りに思っています。一方で、チームとして非常に大きな悔しさも感じています。全員が良い結果を望む中で、選手たちは80分間、懸命に戦ってくれました。ただ、試合の中では明確な課題もありました。特にボールを大切にするという点で、試合終盤だけでなく、途中でもターンオーバーを許した場面や、タックルを受けてボールキャリーがルーズになった場面が見られました。毎週同じことを言っているように聞こえるかもしれませんが、チームとしてあらためて姿勢を正し、一致団結して取り組んでいく必要があります。この悔しさを糧にし続けることで、私たちはより良いラグビーチームになれると信じています。隣にいる姫野(和樹)キャプテンも強いフラストレーションを感じていると思いますし、ファンのみなさんも同じ気持ちでしょう。しかし、何よりも選手たち自身が、この悔しさを一番強く感じています」

──最後は姫野選手に良い形でボールが渡ったものの、ノックフォワードで試合終了となりました。

「最後に姫野の下へ仲間たちが駆け寄った場面を見て、彼がどれだけ大切な存在か、そしてチームがお互いをどれだけ思いやっているかが伝わったと思います。ただ、試合全体を振り返ると、チームとしてうまくいかなかった瞬間が数多くありました。それら一つひとつを見ていけば、なぜ14対20という結果になったのかが分かるはずです。私たちの仕事は、その瞬間から学びを得て、次につなげ、より良いチームになっていくことです」

トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹キャプテン

「率直に悔しいです。良かった部分もありましたが、スティーブ(・ハンセン ヘッドコーチ)が言ったように、ディフェンスやスキルの面で問題が起き、ボールを落としてしまう場面もありました。そこはしっかりと改善しなければなりません。こういう状況では自信を失いがちになりますが、自分たちがやってきたことを自分たち自身が信じなければ、良い結果は生まれません。キャプテンとして、次の試合に向けて全力で取り組んでいきたいと思います」

──最後の場面で仲間たちが駆け寄ってきましたが、どんな話をしたのでしょうか。

「『次に進もう』という話でした。そう言われるのはキャプテンとして情けない気持ちもありますし、責任も強く感じています。ただ、前を向いてやるしかないという思いです」

横浜キヤノンイーグルス


横浜キヤノンイーグルスのレオン・マクドナルド ヘッドコーチ(右)、ジェシー・クリエル キャプテン

横浜キヤノンイーグルス
レオン・マクドナルド ヘッドコーチ

「今日の試合は非常に重要な一戦でした。これまで接戦が続く中で、今週の練習では選手たちのハードワークが際立っていました。その成果として、80分間しっかりとファイトしてくれたことを誇りに思います。チームのために戦う姿勢があり、特にディフェンスのエナジーは素晴らしかったです。チーム全体にも少し安心感が生まれており、これからの試合が楽しみです」

──2週間の準備でうまくいったところはどこでしょうか。

「一番はアティチュード、つまり考え方や姿勢がとても良かったことです。グループ内で競い合い、接戦の中でチームが一つになり、より良い集団になりました。フォワードも、特にセットピースからしっかりボールを出し、アタックにつなげられた点が良かったです。そしてもう一つはリーダーシップです。ジェシー(・クリエル)はもちろんですが、田村優や古川聖人が、いつもとは違う"試合を終わらせる役割"で経験を発揮してくれました。そうしたリーダーシップが随所に見えました」

横浜キヤノンイーグルス
ジェシー・クリエル キャプテン

「選手全員を誇りに思っています。非常にタフなシーズンの中で、今日は『横浜キヤノンイーグルスのジャージーを背負う』というテーマを強く意識して試合に臨みました。そのプライドをしっかりと示せたと思います。特にディフェンスでは、トヨタヴェルブリッツという素晴らしい相手に対して高いレベルのプレーができました。ただし、戦いはここからだと思っています」

──後半に逆転して8点差を付けましたが、巻き返せた理由はどう考えていますか。

「一番大きかったのは自信です。これまでしっかりと準備してきたという自信がありました。練習の中でさまざまなシナリオを想定して取り組んできたことが、試合の中で表れたと思います。その準備に加えて、ガッツとファイトを見せることができたことが、勝利につながりました」