◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体戦(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ) 【ミラノ(イタリア)8日…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体戦(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
【ミラノ(イタリア)8日=大谷翔太】フィギュアスケートの団体で、日本が2大会連続の銀メダルを獲得した。順位点合計68点で、史上初の2連覇を果たした米国に、わずか1点差で敗れて北京大会に続き2位。8種目中5種目で1位(10点)となる盤石の布陣で臨み、悲願の初優勝には一歩及ばなかったが、22年北京五輪組で女子の坂本花織(25)=シスメックス=らを中心としたチーム・ジャパンは堂々と渡り合った。戦いは10日の男子ショートプログラムから、個人に舞台を移す。
笑顔と涙を、みんなで共有した団体3日間だった。最終種目の男子フリー。佐藤駿がマリニン(米国)に敗れて2位が決まると、涙に暮れる最終滑走者を仲間が囲んだ。一緒に号泣する先輩の坂本に、目を真っ赤に肩をさすった同期の鍵山。チーム最年長33歳の木原は、後ろで温かくねぎらいの拍手を送った。「このメンバーだからこそ、取れた銀メダル」。表彰式で笑顔が戻った佐藤は、銀メダルをさげ胸を張った。
ライバル米国とのつばぜり合いだった。5点ビハインドで迎えた決勝。ペアの「りくりゅう」が世界歴代3位155・55点を記録して、SPに続いてフリー1位を取って2点差。女子フリーでも坂本が2連勝で、最後を残して同点の暫定1位に立った。最後は競り負けたが、8種目中5種目で1位を奪取。日本連盟の竹内洋輔強化部長(46)は「選手は皆が『最高のチームだ』と言って、この結果に上り詰められた」と拍手を送った。
頂点だけを見てきた。昨年4月、日本連盟の表彰祝賀会のあと。北京五輪を戦った坂本、りくりゅう、鍵山で集まり、団体の話になった。チームの士気を高めるには、どうすればいいのか。リーダーシップを取る4人で、意思を統一した。「絶対、金メダル取ろうねと。そこで誓ったので」と坂本。誰よりもチーム戦を愛する25歳は、シングルでは初めてSP、フリー両方に挑戦。北京組は、全5種目で10点満点を獲得して役割を果たした。メダルの色は前回と同じだが、坂本は「4年間よりさらにみんなが成長できた」と、うれし涙を流した。
頂点へ、残すピースはアイスダンス。「うたまさ」こと吉田、森田組は、個人での出場権を得られていなかった。竹内部長は「若い頃から高いレベルの競技者を増やして、競争をしていくこと」と4年後を見据える。かつて弱点と言われたカップル競技。だが今や「りくりゅう」の台頭でペアは強みとなり、アイスダンスも国内ではシングルから挑戦する選手も増えている。オール・ジャパンでの底上げが、2030年に向けては求められる。
10日に男子SPから始まる個人戦。ペアで史上初の金メダル、男女はともに複数メダルを期待できる。「ここでメダルを持って個人に臨めるのは、精神的にも大きく違うと思う」と竹内強化部長。乗った勢いを、更に加速させる。(大谷 翔太)