NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第7節(交流戦…

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2026年2月7日(土)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 48-14 浦安D-Rocks

劇的な敗戦を糧に。雪中の一戦で確かに刻んだ前進


クボタスピアーズ船橋・東京ベイの福田陸人選手「出場機会が限られているぶん、『自分はできる』というところを示さなければ」

午後になって降り始めた雪が、『えどりく』の芝を冷たく濡らしていた。気温は2度。スタジアムの空気は寒いというより、もはや冷たい。人々の吐息が白く濁っては空気に解け、舞い続ける雪は躍動する選手たちの姿を、ひんやりとした光の中に美しく浮かび上がらせていた。

「敗北は終わりではない。学ばないことが終わりだ」。そんな言葉がある。前節、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)に今季初の黒星を喫した。残り時間30秒を切った場面でリッチー・モウンガにトライを奪われての逆転負けだった。

そこで学んだものとは何か。バイウィークを挟んで迎えたホストゲーム。浦安D-Rocksを相手に、スピアーズはその成果を分かりやすい形で示した。

前節に続いて11番を背負った山田響は、試合開始7分に先制トライをマーク。BL東京戦については「ディフェンスのコネクションや細かなコミュニケーション、チームの雰囲気の部分で良くない点が多くありました」と振り返り、「チームとしても、個人としても修正することができ、今日は改善した形を出せたのではないかと思います」と続けた。


クボタスピアーズ船橋・東京ベイの山田響選手は修正に手応え

また、戦前に「前半からセットプレー、スクラムでドミネートしていきたい」と語っていた為房慶次朗は、その言葉どおりのプレーを実践。前節は「キャリーが1、2回ほどしかなかった」ことから、「もっとコンタクトの回数を増やし、ボールキャリーにも積極的に関わろうと考えていました」と話す。今回は「ディップ(腰を落とした姿勢)からボールを受けてゲインすることもできたので、キャリーの部分は自分の中でも良かった」と、その手ごたえを口にした。

そして、BL東京戦ではベンチ入りしながらも出場機会が与えられなかった福田陸人は、勝敗の行方が揺れていた前節の後半を「ここで出て試合の流れを変えられるような選手ではないと感じました。悔しかった」と語った。この一戦では先発として出場し、安定したスクラムであらためてその存在感を示した。

「スクラムやラインアウトの部分では、安定したプレーを見せることができたのではないかと思います。出場機会が限られているぶん、『自分はできる』というところを示さなければ、次に起用されるかどうかも変わってくると思っていました。そういう意味でも、かなり気合いは入っていました」

試合の締めくくりとなったのは、前回のBL東京戦でやられたように、残り15秒の場面でスピアーズのキャプテン、マキシ ファウルアがトライゾーンにボールをねじ込んだ一撃である。スピアーズえどりくフィールドでの連勝記録はこれで26。試合後、フラン・ルディケ ヘッドコーチは「前半は非常に決定力があり、チャンスを作って確実に得点に結び付けることができました。そして後半、若いベンチメンバーがインパクトを与え、力強く試合を終えることができました。これこそが必要としていた80分間のパフォーマンスです」と目を細めた。

かつてヘミングウェイは代表作『老人と海』で、「人は打ち砕かれることはあっても、負かされることはない」と記した。敗戦を糧にしたチームは、この日、確かな前進を刻んだ。

(藤本かずまさ)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ


クボタスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(右)、マキシ ファウルア キャプテン

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「バイウィーク明けのスタートは非常に重要でした。選手たちがしっかりとリフレッシュできたと信じていましたし、合流してからは今週プランしてきたことを、まさに今日遂行してくれました。このパフォーマンスには本当に満足しています。80分間をとおしていいパフォーマンスでしたし、特に最後に投入された若手選手たちが試合を締めくくってくれたのは良かったです。この試合にはポジティブな要素が本当にたくさんありました」

──バイウィークで最も修正した部分はどこでしょうか。また、それがこの試合にどのように生かせましたか。

「(前節の)BL東京戦からは多くの学びを得ました。特に、残り3分まで試合をコントロールしていた中での、最終盤の意思決定のあり方です。また、前半に自陣に釘付けにされるという"居心地の悪い状況"にどう対処するかという点も課題でした。これら二つが前回の試合から得た主な収穫であり、それが今日の結果に表れました。われわれは忍耐強くハードワークし、あらゆる瞬間で小さな勝利を積み重ねることができました。キャプテンのマキシ(ファウルア)選手が戻ってきたことで、フィールド上でも素晴らしい判断が見られました。彼やほかのリーダーたちが、チーム全員をやるべきタスクに集中させてくれました。それはわれわれにとって大きなプラスでした」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
マキシ ファウルア キャプテン

「まず今日は寒い中、本当にたくさんの方、オレンジアーミーの方に来ていただいたことに感謝したいと思います。先ほどヘッドコーチも言ったように、バイウィーク明けの1戦目として、相手もすごくいいチームだということを分かった上で、自分たちが今週1週間準備してきたプランをしっかり一人ひとりが遂行した結果がいい結果につながったのかなと思っています」

──相手エリアに入ってしっかり得点を取れたというところでは、前節のBL東京戦の学びを生かせた結果と言えるでしょうか。

「そうですね、自分たちがしっかりゲームコントロールして、自分たちがやり続けてきたことをやり続ければ必ずスコアにつながると思っていたので、それが今日しっかり出たと思います」

浦安D-Rocks


浦安D-Rocksのグラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ(右)、藤村琉士キャプテン

浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ

「非常にタフでフィジカルな試合でした。S東京ベイは昨シーズンのファイナリストであり、フォワードパックのフィジカルが非常に強く、この天候・コンディションをうまく利用してプレーしていました。ハーフタイムには『あきらめるな』と話しました。前半を終えて自分たちで高い壁を作ってしまいましたが、後半はそれを乗り越えようと試みました。試合の最後まで泥臭く、必死に戦い続けた選手たちを誇りに思います」

──前節の三重H戦での敗戦を受け、このバイウィークに重点を置いて取り組んだ改善ポイントは何でしょうか。また、本日の試合でその成果として遂行できた部分と、残った課題についてお聞かせください。

「当然ながら三重H戦の敗北には失望しました。あの試合では自分たちでコントロールできるはずの多くのことが十分にできておらず、バイウィーク中にその修正に取り組みました。ただ、今日は異なるコンディションの中、異なるチームとの対戦でした。彼らは非常にフィジカルなラグビーを展開しました。われわれは自分たちの形を十分に作れませんでした。形ができたときは良かったのですが、自分たちのリズムを作るためのポゼッションが不十分でした」

浦安D-Rocks
藤村琉士キャプテン

「すごいフィジカルのチームを相手に、しっかりとボールインプレーで自分たちも攻めたいと思っていました。しっかりとボールを継続できていたところもあったのですが、フィジカルを前面に出した相手に対してプレッシャーを受けてしまうところがあり、そのまま勢いでやられてしまったのが敗因だと思っています」

──前節の三重H戦での敗戦を受け、このバイウィークに重点を置いて取り組んだ改善ポイントは何でしょうか。また、本日の試合でその成果として遂行できた部分と、残った課題についてお聞かせください。

「ディシプリン(規律)の部分、特にオフサイドの部分は練習中や普段から言っていることです。しっかり下がることや、不要なペナルティを減らすことは意識して取り組みました。フィジカルのところも、どうしても一度(相手に勢いに)乗られてしまうと、次のディフェンスが後手に回ってペナルティが続いてしまう。イエローカードも出てしまいましたが、そうした点も含めて今後の課題だと感じています」