島内、岡島が引退、阿部も移籍し世代交代「力つけた若手多い」 楽天の優勝は球団史上、田中将大投手(現巨人)を擁して日本一ま…
島内、岡島が引退、阿部も移籍し世代交代「力つけた若手多い」
楽天の優勝は球団史上、田中将大投手(現巨人)を擁して日本一まで駆け上がった2013年の1度だけ。それからもう12年が経過した。最近は4年連続4位にとどまっている。ところが、「今年は久しぶりに、栄冠を手にしてもおかしくない陣容が整った」と指摘する声があがった。
現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩さんは8日、沖縄・金武町で行われている楽天1軍キャンプを視察。「今年は投打のバランスが非常にいいと思います。『気が付いたら、いつの間にか優勝を狙えるメンバーになっていた』という印象です」と述懐する。
楽天では昨年オフ、2021年打点王の島内宏明外野手、日本一メンバーの1人である岡島豪郎外野手が現役を引退し、“マスター”の愛称で人気を博した阿部寿樹内野手も戦力外通告を受け中日に移籍した。野口氏は「ベテランがごっそり抜けましたが、ここ数年積極的に起用され、力をつけた若手がたくさんいて、各ポジションに競争原理が働き全体的にレベルアップできる顔ぶれになっています」と指摘するのだ。
そんな中、とりわけ野手陣のキーマンとして野口氏が注目するのが、プロ7年目・24歳の黒川史陽(ふみや)内野手とドラフト3位ルーキーの繁永晟(あきら)内野手(中大)である。
プロ入り当初からポテンシャルを高く評価されていた黒川は6年目の昨季、自己最多の83試合に出場し打率.299(301打数90安打)、出塁率.372、4本塁打33打点の好成績。打線の中軸を任されることが多く、3番として35試合、4番として24試合、5番として17試合にスタメン出場し、昨季のラスト21試合は3番に座り続けた。右投げ左打ちで一塁、二塁、三塁を守ったが、最も出場試合が多かったポジションは二塁だ。
二塁は黒川、繁永、小深田の高レベル三つ巴の可能性も
黒川はこの日フリー打撃で、1球1球「んーっ!」と声を出しながらフルスイングを繰り返し、左右に強い打球を放っていた。「昨季の黒川は振りが強くなり、一方でミスショットも減りました。このキャンプではさらに力強さを増しています。ゆくゆくは、ソフトバンクの近藤(健介外野手)のように率を残せてホームランも打てる、オールラウンダーに育ってほしいですね」と野口氏は目を細める。
ただし、「楽天には過去、活躍した翌年に大幅に成績を落とした選手が結構いました。黒川には何としても、プレッシャーを跳ね返し成長の階段を上がっていってほしいです」と釘を刺すのも忘れなかった。
一方の繁永は昨夏、侍ジャパン大学代表に選出され、日米大学野球選手権大会で5戦全勝優勝に貢献した強打の二塁手。中大の先輩であるDeNA・牧秀悟内野手の系譜を継ぐ逸材だ。「ティー打撃を見ましたが、軸が全くぶれない。力がありそうな体つき(174センチ、88キロ)で、プロの投手のスピード、変化に慣れれば、かなりやれる気がします」と野口氏は称賛を惜しまない。
今季の楽天内野陣は、DH・一塁に主砲ルーク・ボイト内野手と浅村栄斗内野手が君臨。遊撃の宗山塁内野手と三塁の村林一輝内野手は昨季ベストナインに輝いており、基本的に不動だろう。となると、黒川と繁永で二塁のポジションを争う可能性も十分ある。ここに2023年盗塁王の小深田大翔内野手も加わるのだから、確かに今季の楽天のポジション争いはレベルが高い。
外野もしかりだ。野口氏が「首位打者、最高出塁率、最多安打のうち、いずれかのタイトルを獲得しても全然おかしくない」と打撃を評価する中島大輔外野手をはじめ、辰己涼介外野手、小郷裕哉外野手らがひしめき、俊足の武藤敦貴外野手、内野兼任で渡邊佳明内野手、伊藤裕季也内野手らも争いに加わる。さらに現役ドラフトでソフトバンクから佐藤直樹外野手を迎えた。「佐藤はチームに不足している右打ちの野手ですし、スイングが力強いので、チャンスはあると思います」というのが野口氏の見立てだ。
あとは三木肇監督がどう使いこなすか。楽天ファンが13年ぶりに歓喜を爆発させるシーズンとなるのだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)