昨季はポストシーズンでの“クローザー”起用が大きな話題となった佐々木(C)Getty Images4シーム、そして“魔球…

昨季はポストシーズンでの“クローザー”起用が大きな話題となった佐々木(C)Getty Images
4シーム、そして“魔球”と評されるフォークに加え――
思い描いた理想とは程遠いルーキーイヤーを送った佐々木朗希をどう“覚醒”させるか。2026年シーズンは、ドジャース首脳陣にとっても重要な1年となる。
複数球団が絡んだ争奪戦の末に鳴り物入りでドジャース入りを果たした昨季の佐々木。東京ドームで迎えたカブスとの開幕シリーズでは最速100.5マイル(約161.7キロ)の快速球を投げ込むなど上々の船出を切った。
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しかし、“令和の怪物”は、そこから徐々にパフォーマンスが低下。そして、5月13日に「右肩のインピンジメント」が判明し、15日間の負傷者リスト(IL)入り。離脱前から違和感を抱えながら投球を続けていたという佐々木は、そこから約4か月に渡ってマイナーで研鑽を積む日々を送った。
リハビリとフォームの修正に励んだ佐々木は9月にリリーフに配置転換されてメジャーに再昇格。迎えたポストシーズンはクローザーに抜擢され、投手陣に課題を抱えていたドジャースの救世主となった。
だが、本人、そして球団が理想とするのは先発として奮闘する姿だ。ゆえに26年シーズンは、ローテーションを任せられるか否かの試金石となる。だからこそ、佐々木は招集を求められたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場も承認しなかった球団の指示に従い、スプリングトレーニングで地力を高める道を選んだのだろう。
では、球団首脳陣は佐々木をいかにして先発投手として大成させようとしているのか。
米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』に出演したドジャースのマーク・プライアー投手コーチは、「新たな球種を加えることが重要になる。そのことは昨年夏にIL入りをしていた時からずっと議論を重ねてきたことだ」と断言。NPB時代からの生命線である4シーム、そして“魔球”と評されるフォークに加え、新たな球種を体得することが先発としての飛躍のカギになると分析した。
「大前提としてロウキの強みを殺してはいけない。だから、単に管理するということはしない。他の球種を投げることが、彼の強みに干渉しないかどうか。それについては常に監視の目を光らせている。今の時代は技術やデータ解析のリソースが豊富にある。だから選手は気軽に新しいことにチャレンジできる。だからこそ、本来の強みを見失わないかを監視し続ける必要があるんだ」
佐々木への尽きない期待
本人に強制はしないが、選手が路頭に迷うような放任はしない。明確なマネジメントの下で新球種体得に取り組ませる方針を明らかにしたプライアー投手コーチは、佐々木の“1年目”を「一言で言えば、“学びの年”だった」と回想。「あらゆることを消化する中で、吸収すべきことが山ほどだったはずだ」と指摘した。
「彼が味わったものは、高校や大学、ひいては日本や韓国から来た選手が必ず経験することなんだ。メジャーというハイレベルの環境で学ぶべきことは果てしない。おそらくロウキはこの冬、自分の何が通用して、何が課題となったのか。そして先発投手としてもう一度戦うために何を準備すべきかを考え、自分自身と向き合っているはずだ」
間近で、満足に投げられずにもがく姿も、そしてリリーバーとしてキッカケを掴んで躍動する姿も見てきた。だからこそ、プライアー投手コーチには、来る新シーズンでの佐々木の飛躍に期待を寄せている。
「我々がまだ目にしていないのは、ロウキが先発として『100%健康』と言える状態で投げ抜く姿だ。昨年は彼のポテンシャルの一端を見たに過ぎないと思っている。私は今年こそ『完全版ロウキ・ササキ』が見られると信じている。メジャーの先発投手として成熟していく姿が楽しみで仕方がないよ」
もっとも、ドジャースの先発ローテーションは分厚い。誰もが万全の状態ならば、大谷翔平、山本由伸、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノーと球界屈指にタレントが居並び、そこにエメット・シーハン、リバー・ライアン、ギャビン・ストーン、ボビー・ミラーなどトッププロスペクトも控えている。ここに食い込むには、佐々木と言えど、首脳陣を唸らせるようなパフォーマンスが求められる。
今春はWBC出場も断念し、ドジャースでのキャリアに賭けた。その先発復帰への想いが実るかどうか。佐々木にとって正念場の1年となるのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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