◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(5日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd…
◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(5日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
「パッティングコーチを探しているんですよ。誰かいい人いないですかね?」と声をかけられたのが、ザ・アメリカンエキスプレスの練習日のこと。その1週前、ハワイでの今季初戦「ソニーオープン」では「ショットはほぼフェアウェイを外さなかった」(久常)にもかかわらず予選落ち。つまりパットが全く入らなかったというのだ。
もともと日本にいた頃は、パッティングが上手い印象だったが、昨年のスタッツを見る限りストロークゲインド・パッティング(パッティングのスコア貢献度)は-0.205で141位と低迷。ウィークポイントは明らかにパッティングだった。
何人か有名なパッティングコーチの名前を挙げてみると、「実はコンタクトとっている人はいるんですよ。今度会ってきますよ」と言い、その相手がステファン・スウィーニー氏だった。フロリダのパームビーチガーデンを拠点に、コリン・モリカワ、シェーン・ローリー(アイルランド)、アクシェイ・バティアらの指導経験がある売れっ子コーチだ。
機会が訪れたのは、ザ・アメリカンエキスプレス明けの月曜日。サンディエゴに移動した久常は、契約するテーラーメイド本社「キングダム」でスウィーニー氏を迎え、インドアでセッションを行った。ヒアリングから始まり、実際にアドレスやストロークをチェック。さらに、ボールの挙動を分析するクインテックや、クラブ軌道・打点などを測定するサムパットラボを使い、久常のグリーン上の“状態”を丸ハダカにした。「今の自分が知れたのがいちばん大きかったですね。アドレスのズレが見つかって、それが結構大きなズレだった」と久常は振り返る。アドレス時のフェース向きが狙った所を向けていなかったのだ。
「自分でも何となくズレているとは思っていました。でも、それはあくまで感覚だったので、実際に測って数字で認識できたのが良かった。改めて、数字を見るのは大事だなと思いました」。ズレに対しては、目線やフェースの向きなどのアドレスを調整しただけで、それ以外は特にいじってないという。「ストロークはほぼ変えていません。アドレスだけです。シンプルでしょ。だから、今までもいいパットは打っていたってことなんですよ」と自分に言い聞かせるように語った。
また、前週「ファーマーズインシュランスオープン」の舞台であるトーリーパインズは、相性の良いポアナ芝のグリーンだったことも功を奏した。「ポアナってどう転がるか分からないし、みんな入らないから好きなんですよね。“それがゴルフじゃん”って感じがしてしっかり打てる」。アドレスの修正とグリーンの芝質がかみ合い、2位タイに入ったことは周知のとおり。その週のストロークゲインド・パッティングは4.068で7位と向上。グリーン上での自信が戻ってきた。
「もっと話をしたいんですけど、本当にやったのはそれだけなんです」と久常。パッティングの調子はアリゾナでも続いており、ストロークゲインド・パッティングは3日間を終えた時点で1.436の30位。首位の松山英樹とは1打差の好位置で最終日を迎える。(アリゾナ州スコッツデール/服部謙二郎)