◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(7日・リビーニョ・スノーパーク) スノーボード男子ビッグエア(BA)で銀メダル…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(7日・リビーニョ・スノーパーク)
スノーボード男子ビッグエア(BA)で銀メダルを獲得した木俣椋真(23)=ヤマゼン=が競技を始めたきっかけは父・慎也さん(46)。スポーツ報知の取材に応じ、幼い頃の雪山エピソードや、木俣の性格などを語った。今回は銀メダルの瞬間を現地観戦。感動の瞬間も熱く振り返った。(取材・構成=手島 莉子)
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息子が大きく成長した姿を、目に焼き付けた。銀メダルをかけ父に報告をしにきた雄姿を前にした瞬間、慎也さんは抱きついて大号泣した。「デカい舞台の方が強いのかもしれない。初めての五輪でめっちゃ本人も緊張していたと思うんですけど、メダルがとれて本当に良かった」。慎也さんが「俺はうれしいよ」と言うと木俣も「俺もうれしいよ」。抱き合って喜びを分かち合った。
スノーボードを始めたきっかけは父だった。木俣が3歳の時、慎也さんと訪れた岐阜・郡上市のスキー場「ダイナランド」が初めての雪山。11月で雪は多くなかったが1台だけ動いていたリフトに興味を持った。「抱っこして乗せて、上まで行って。『スノーボード』ってうまく言えないから『シューしたい、シューしたい』って言うので、僕が抱えて降りてきました。降りてきたらまたリフトに乗りたいって言うので、何回やったか(笑)」。父との楽しい思い出が、木俣の競技の根底にある。
小学校に上がると、本格的に「滑りたい」と木俣が言った。週末は岐阜・スノーヴァ羽島(21年閉業)で行われていたキャンプに行き、滑りを教わった。「ゲレンデに行ったときに、うまく滑れないって思うことがあったんだと思います」と上手になりたい一心で練習し、小4から大会にも参戦。送り迎えは慎也さんが行い、「国内のほぼ全試合、応援していました」と小5でプロ資格を取得するなどグングン成長する姿を一番近くで見守った。
22年北京五輪は代表争いで敗れ、あと一歩で逃した。慎也さんは「複雑な気持ち」で息子の出ていない五輪をテレビ観戦した。それでも木俣は諦めなかった。ミラノ五輪プレシーズンの昨季、25年3月の世界選手権BAで初優勝。ミラノ五輪を大きく引き寄せる勝利に、普段連絡を取り合うことは多くないが、試合後はすぐに「おめでとう」と連絡を入れた。一番の願いは「けがなく終えてほしい」と慎也さん。家族の思いを胸につかんだ銀メダルは、光り輝いていた。