団体戦の男子シングルSPでは2位に終わったイリア・マリニン(C)Getty Images ミラノ・コルティナ五輪のフィギ…

団体戦の男子シングルSPでは2位に終わったイリア・マリニン(C)Getty Images

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート団体戦が現地時間2月7日に行われ、日本は男子シングルのショートプログラム(SP)で鍵山優真が登場。108.67点の高得点を叩き出し、最大のライバルと目されたイリア・マリニン(米国)の98.00点を大きく上回り、1位となった。

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 この結果を受け、海外メディアも驚きを隠せない。米放送局『NBC』の五輪専門サイト『NBC Olympics』は「“クワッドゴッド(4回転の神)”イリア・マリニンも人間だったのかもしれない」と題した記事を掲載した。

 同サイトは冒頭で、「この男は“クワッドゴッド”ではなかったのか。男子シングル金メダルの最有力候補で、世界選手権を2連覇している選手ではなかったのか」と問いかけ、「それでも彼は、カギヤマに10点差をつけられた」と指摘した。

 演技内容については、「回転不足と判定された4回転ルッツと、基礎点満点に届かなかったスピンで減点を喫した」と分析。ジャンプが3つ、合計4本に制限されるショートプログラムは、「7つのジャンプパスと10本のジャンプを跳べるフリーほど、マリニンの強みが生きる構成ではない」とも伝えた。

 一方で、鍵山の演技を「圧巻」と形容。「出来栄え点を大量に積み上げ、演技構成点でも差を広げた」と称賛し、「演技後には、少年のような笑顔でリンクを飛び跳ねていた」と描写した。

 注目されたのは、演技後のマリニンの反応だ。『NBC Olympics』は、その姿勢を「文字通り『ここにいられるだけでうれしい』というものだった」と紹介。マリニンは取材に対し、「本当に幸せな気持ち。五輪という経験は一生に一度のもの。ここで滑れたこと自体に感謝している」と語ったという。

 さらに、「団体戦では、自分の力の50%程度で臨むつもりだった。それが今日の感覚だった」とも明かしており、同メディアは「合理化なのか、それとも挫折を受け止めるための方法なのか」と記し、その心境を読み解いている。

 もっとも、『NBC Olympics』はマリニンの本領が発揮されるのは、フリーだと強調する。昨年12月のグランプリファイナルでは、SPで出遅れながらも、フリーで史上初となる7本の4回転ジャンプをすべて成功させ、約14点差を逆転。最終的に約30点差を付けて優勝した実績を挙げ、「それこそが、彼が“クワッドゴッド”と呼ばれる所以だ」と結んでいる。

 鍵山に完敗を喫した団体戦SPは、人間らしい一面をのぞかせた瞬間だったのか。それとも、今後の神話再来への序章なのか。その行方に注目が集まる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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