(7日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉ジャンプ女子ノーマルヒル) 金メダル候補が背負わなければならない重圧…

 (7日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉ジャンプ女子ノーマルヒル)

 金メダル候補が背負わなければならない重圧は、丸山希の想像を超えていた。

 「普段はあまり緊張しないんですけど、1本目も2本目もすごく緊張して……」

 前日までの2日間の公式練習は思うように飛べず、笑顔は消えていた。「メダルに届くか不安があった」。開会式にも出席し、限られた時間で気持ちを切り替えなければならなかった。

 ただ、今季のワールドカップ(W杯)開幕戦で初勝利を挙げ、すでに6勝。課題を修正するための「引き出し」はいくつも持っていた。

 所属先の横川朝治・北野建設スキー部監督らと一致した改善点は、スタート台からの滑り出しだ。この日、浅く腰掛ける姿勢に変更したことでジャンプ台に足の力を伝えられるようになり、表情に明るさが戻っていた。

 1回目に97メートルを飛び、首位と1.2点差の3位につける。2回目はトップの目安となる緑色のラインを空中で視界に捉え、「1本目よりは平常心で飛べた」。重圧を振り払って100メートルの大ジャンプ。今大会日本勢メダル1号となる「銅」をつかみ取った。

 北京五輪シーズンは着地の失敗による大けがで棒に振った。復帰後の初ジャンプは10メートル。「一つ一つ積み重ねて、その結果、メダルを手にすることができた。この4年間、頑張ってきてよかった」。表彰台で涙がうっすらとにじんだ。(笠井正基)