「阪神春季キャンプ」(7日、宜野座) ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選出されている阪神・石井大…

 「阪神春季キャンプ」(7日、宜野座)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選出されている阪神・石井大智投手(28)が7日、今キャンプで初めてシート打撃に登板し、圧巻の投球を示した。WBC球とピッチコム(サイン伝達機器)を使用して打者3人に17球。佐藤輝を直球で中飛に仕留める“サトテル斬り”もあり、改良に取り組むフォークへの収穫も持ち帰った。本大会まで残り1カ月。大舞台に向け、抜かりなく準備を整えていく。

 18・44メートルの空間には、2月上旬とは思えぬ緊張感が漂っていた。マウンドの石井が、虎の主砲と対峙(たいじ)。何ともぜいたくな対戦を、観衆は食い入るように見つめていた。今キャンプ初めてのシート打撃登板を終え「良かったと思う点と、まだまだ詰めていかなきゃいけないところがある。実際の大会の試合までにはしっかり仕上げたいなと思います」と謙虚に自己分析した。

 先頭の島田を一ゴロに料理して、佐藤輝との対戦。カウント1-1からシンカーで空振りを奪って追い込むと、ファウルとボールを挟んで主砲も対応した。そして迎えた8球目。打球は中堅後方を襲ったが、フェンス手前で中堅手のグラブに収まった。

 本人は「風もあったので(スタンドに)入るかなと思いましたが、ちょっと(球が)垂れたんですよ。たぶんそれで(中飛になった)」と振り返った。昨季50試合連続無失点のセットアッパーと40発男による“日本代表対決”。極上の勝負は石井に軍配も「これからじゃないですか。お互いに」と気に留めることはなかった。

 オフ期間で改良に着手したフォークは6球目に投げ、佐藤輝のスイングを誘った。ハーフスイングで判定はボールだったが「すごく、いい落ち方をしていて、すごく手応えを感じました」とプラスに捉えた。受けた坂本も「いいところには来ていた。その後、輝と3人でどんな感じかっていう話もしたので。そういうので積み重ねていけばいいんじゃないですかね」と打者の視点も参考に、磨きをかけていく。

 4日には今キャンプ初めてピッチコムを使ってブルペン入り。同機器をシート打撃でも使用し「(戸惑いは)ないですよ。ただ音声が聞こえるだけなんで」と扱い方に不安がないことを強調した。

 日本のWBC初戦は3月6日・台湾戦(東京ド)で今月14日から代表合宿に合流。登板後には宜野座のファンから大きな拍手が送られた。「たくさんプレッシャーがかかるので、できるだけ応援してくれたらと思います」と苦笑い交じりに話した石井。重圧と闘い、寄せられた期待を力に変えて、世界に挑む。