<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):開会式>◇6日2026年ミラノ・コルティナ五輪の開会式が6日午後8時(日本時間…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):開会式>◇6日

2026年ミラノ・コルティナ五輪の開会式が6日午後8時(日本時間7日午前4時)から、史上初めてイタリア北部の4会場群(クラスター)で分散開催された。大会は22日まで、2万2千平方キロの範囲に分散する異例の形で行われる。

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4年前、シャトルバスの窓越しに見える北京の日常は別世界だった。1枚のガラスの先に行くことはできない。コロナ禍の五輪。選手も関係者も、現地入り後は外部との接触を遮断する“バブル”の中で大会を終えた。地元住民の五輪への関心や熱狂を直に知る手段はなく、晴れ舞台に家族も招くことさえ厳しかった。

制限下でも4年に1度の五輪というバトンをつないだ、開催地への感謝は尽きない。その上で18年平昌大会も経験したフィギュアスケートの坂本花織(シスメックス)は「ミラノで元に戻るとなったら『どんなに楽しいんだろう』と想像しています」と待ちわびた。1つの技や見せ場で、得点に関係なく歓声が沸く。たとえルールを知らなくても、見る者と競技者が交わる瞬間を五輪で感じてきた。

ノルディックスキー複合の渡部暁斗(北野建設)は、6度目の大舞台が集大成となる。若かりし頃は五輪に価値を見いだせなかった。「一発勝負だと運も左右する。W杯総合優勝こそが、真の実力の証明になると信じてやっていました」。平昌五輪シーズンだった17-18年。荻原健司以来、23季ぶり2人目の偉業をドイツ東部クリンゲンタールで決めた。その時に思った。

「そこには自分ひとりしかいない感覚。そこで五輪やスポーツの価値に考えがシフトした。注目してもらい、応援してもらえることの本当の意味、アスリートの価値を見いだせました」

クロスカントリーとジャンプで争う複合は、第1回の1924年シャモニー大会から実施されてきた。伝統ある種目ながら、欧州以外での普及などが課題とされ、存続が危ぶまれている。「アジア人である自分が活躍することで『偏ったスポーツではない』とアピールする機会にもなる。イタリアで季節外れの満開の桜を咲かせたい」。人と人を結ぶスポーツ。醍醐味(だいごみ)をかみしめる17日間が始まった。【松本航】