スキーの枠では収まらない特大の人気を持つアイリーン・グー(C)Getty Images その人気ぶりはもはやスポーツを超…

スキーの枠では収まらない特大の人気を持つアイリーン・グー(C)Getty Images
その人気ぶりはもはやスポーツを超越している。来る現地時間2月6日に開会式を迎えるミラノ・コルティナ冬季五輪に女子フリースタイルスキーの中国代表として出場予定のアイリーン・グー(谷愛凌)だ。
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現在22歳の彼女は、まさに才色兼備だ。アメリカから中国代表に転身して挑んだ前回大会では、フリースタイルスキー・ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアで3つのメダル(金メダル2個、銀メダル1個)を獲得。一方でプライベートではスタンフォード大学に通う現役生でありながら、167センチの長身を活かしてモデルとしても活躍。これまでもフェンディ、グッチ、ルイ・ヴィトン、ポルシェといった高級ブランドの広告塔を務め、活動の幅を広げている。
圧倒的なカリスマを誇る彼女の秘める影響力の大きさは何よりも数字が物語る。米経済誌『Forbes』がまとめた「女性アスリートの収入」によれば、グーの年間収入は、なんと2310万ドル(約36億4980万円)。そのうち広告収益を含めた副収入額は2300万ドル(約36億3400万円)となっており、彼女の一般層に対するリーチの広さを感じさせる結果となっている。
また、SNS上でもグーの存在感は圧巻だ。中国版Xと言われる『Weibo』のフォロワー数は驚異の700万人超え。そしてインスタグラムのフォロワー数も500万人上回っており、幅広い世代に知られた存在となっているのは一目瞭然と言えよう。
人気の秘密は、批判にも臆さない強い姿勢にある。2019年6月に教育熱心な母親(中国国籍)の勧めで、中国国籍に変更したグーは、米国内で猛烈なバッシングを受けた。米メディア『The Athletic』によれば、当時ニュース局『FOX News』の司会を務めたウィル・ケイン氏からは「恩知らずで、恥知らず」と叩かれた。
しかし、グーは批判を意に介さなかった。この時、スタンフォード大学の元学生2人が司会を務めるポッドキャスト「The Burnouts」に出演した彼女は「本当に腹が立ったわ」と強調。「せめて、私を討論の場に呼んで。そして自己弁護と自分の話をさせて。一方的にいじめられるなんて不公平。私はそういうのが本当に嫌」と真っ向から反発したのである。
こうした批判に屈しない姿勢は、クールなアスリートとして声価を高めている。「彼女は今年のオリンピックに出場する最も話題の選手の一人だ」と伝えた米紙『New York Post』は「中国代表に選ばれたことで物議を醸したグーの頭の中にあるのはメダル以上のものだ」と指摘。今大会を前に投じられた本人のインスタグラム上でのメッセージを紹介している。
「多くの点で同じ人間でありながら、いくつかの点で変わった人間として、私は二度目のオリンピックに臨む。ただ私の根底にある使命は何も変わらない。フリースキーをより多くの若者(特に女子)に広めること、女子スキーを後押しし、世界の舞台で堂々と代表すること、そしてこの一生に一度の経験(オリンピックはどれも一生に一度の経験)を楽しむこと」
当然、ミラノ・コルティナ五輪でもメダル獲得争いが確実視されるグー。その一挙手一投足には文字通り世界中の熱視線が注がれそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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