(6日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート) 終盤、難関のスロージャンプを迎えた。木原龍一が…
(6日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉フィギュアスケート)
終盤、難関のスロージャンプを迎えた。木原龍一が三浦璃来を投げる体勢に入る。息をのむ一瞬の静寂ののち、歓声がはじけた。三浦が余裕を持って氷に降りた。
文句のつけようがない演技で、ショートプログラム(SP)世界歴代3位となる82.84点をたたき出す。「レジェンドのみなさんと比べるとまだまだ。でも、今日のパフォーマンスを誇りに思う」。木原は胸を張った。
今季、試合での目標を聞かれると、「けがをしないこと」と口をそろえてきた。だが、12月の全日本選手権のSP直前の練習中、三浦の左肩が脱臼した。SPは滑ったが、フリーは棄権した。
五輪が迫る中でのアクシデント。病院での検査結果を踏まえて、トレーニングを見直した。三浦は「関節が外れないように周りを筋肉で補強する感じ」。
ただ、脱臼は癖になりやすい。木原は恐れた。手を握っている時に自分がつまずいて、引っ張ってしまったら……。すぐ離せるように緩くつかむようにしていた。
三浦は鍛え直した肩の状態に自信があった。「しっかり握ってほしい」と伝えた。この日、木原は三浦の左腕をぎゅっと握って、引っ張って何度も加速。スピード感でも他の組の上をいった。
「一つ一つ集中して滑れた。周りもよく見えていた」と三浦。けがは心配無用。世界王者の実力を見せつけた。(内田快)