<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇6日◇団体アイスダンス・リズムダンス(RD)◇ミラノ・ア…

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇6日◇団体アイスダンス・リズムダンス(RD)◇ミラノ・アイススケート

結成1季目の「フルシゼ」ことロランス・フルニエボードリー、ギヨーム・シゼロン組(フランス)が89・98点の2位となった。つまずいた場面もありながら大台の90点まで、あと0・02点に迫る演技だった。

先月の欧州選手権を今季世界最高得点で制覇した、個人アイスダンス種目の優勝候補。ローテーショナルリフトで最高評価のレベル4を獲得し、出来栄え点(GOE)も全10組の中で最高の2・40点を稼ぐなど、地元欧州のファンを沸かせた。

結果としては2位。世界選手権3連覇中で、五輪の団体は2大会連続の金メダルを目指す米国のマディソン・チョック、エバン・ベーツ組が91・06点を出したためトップの座こそ譲ったが、順位点で母国に9ポイントをもたらした。

昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルから自己ベストを2・42点。「私たち2人にとって、これまで経験したことのないもの(五輪)。また一緒に新しい経験をすることができた。大会を重ねるごとにスコアは上がっている。大会が私たちを成長させてくれている」と声をそろえた。

前回22年の北京五輪。男性のシゼロンは、女性のガブリエラ・パパダキスと金メダルに輝いた。カップル解消後、一時は一線から退いて振付師や指導者として活躍していたが、昨季、カナダ出身で昨年フランス国籍を取得したフルニエボードリーと結成。実力者同士の滑りに、欧州選手権のフリーダンスでは表現面を示す演技点で10点満点を出すジャッジが続出した。

一方で、シゼロンはパパダキスが出した暴露本騒動の渦中にある。「表と裏の顔があり、他人の目がなくなると攻撃的になる。私は彼の支配下に置かれていた」などとパパダキスは、シゼロンと不平等な関係にあったと自伝で主張した。反対にシゼロンは、暴露本で「中傷」被害を受けたと主張し、対立していた。「パパシゼ」として世界中から尊敬された2人は世界選手権を5度も制覇。24年に解散していた。

また、フルニエボードリーは元パートナーで夫でもあるニコライ・ソレンセンと4大陸選手権で2度、表彰台に立った名手。しかし24年、ソレンセンが元選手の米国人コーチに対する過去の性的暴行疑惑を告発され、昨年10月に6年間の活動停止処分を受けた(今年6月に仲裁機関によって処分撤回)。同じコーチの下で練習していたシゼロンと再出発した。

善し悪しは別として、リンク外の騒動を感じさせない好演だった。試合後の取材もシゼロンが「私たちは完璧主義者ですから、もちろん常に細かい調整や技術的な面で改善できる部分はあると思います。でも、全体的にはとても満足しています」と笑顔を見せるなど納得の五輪開幕となった。

その中で、最後に質問が出た。「ソレンセンの性的暴行疑惑の被害者が今日、あなたたちが彼を擁護することで、他の被害者が声を上げにくい危険な環境が生まれる。そう私に語った」と切り出すと、フルニエボードリーは質問者の目を強く見つめ返し「その件については、必要なことは全て述べました。今はオリンピックに集中しています」と即答した。

さらに「被害者が、あなたには『被害者への思いやりが全くない』今日、発言した事実については、どう思いますか」と畳みかけると、隣にいたシゼロンが不快そうな表情で打ち切り、取材エリアを後にした。