◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(4日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd…
◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(4日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
松山英樹がTPCスコッツデールのアプローチ用練習グリーンでチッピングをしていると、突然後ろに立ってスイング動画を撮り始めた関係者がいた。ピンのサンバイザーをかぶった大柄な男性はジョセフ・マヨ氏。かつてビクトル・ホブラン(ノルウェー)のコーチを務めたことのある、世界有数のコーチだ。
『トラックマンマエストロ』の異名を持ち、弾道測定器トラックマンの黎明期からその数値をもとにしたレッスンでツアープロの支持を集めてきた。近年はショートゲームの専門家としても名高く、アジア各地で講演やレッスンを行っている。
そんなマエストロが松山のアプローチを何度も撮影し、ウンウンとうなずいては動画をチェックしていた。明らかに“お手本”を撮影しているような様子である。何球か撮影した後、「ヒデキ、サンキュー」と言って立ち去ったので、追いかけて松山のアプローチのどこが良いのかを尋ねてみた。
「シャフトの傾け方(シャフトリーン)、球を低く打つこと、スピンのかけ方…すべてが素晴らしい。私が普段プロやアマチュアに教えていることを、まるごと実践している。彼は本当に才能の塊だよ」と賛辞を送った。特に飛球線方向へシャフトを傾ける「シャフトリーン」が重要だとマヨ氏は言う。
「アマチュアの多くは、そのシャフトリーンがなかなかできない。どうしてもインパクトでシャフトが垂直方向に動いてしまう。ヒデキのクラブの使い方は実に美しい。シャフトを傾けてロフトを立てられるから、あれだけ低く球が出てスピンが入れられるんだ」と解説し、筆者の手首を取って「こうやるんだよ」と右手首の角度を作り、クラブを上げるように促した。自分が普段アプローチで作る手首の角度よりもかなりきつく、バックスイングでは手元が低いままヘッドが高く上がるようなイメージだった。
「ヒデキは私がこれまで見てきた中でも、最高の選手の一人。彼がナチュラルにその動きができているのは信じられないほどだ」と改めて賞賛し、教えているトム・キム(韓国)の元へ立ち去っていった。世界のトップ選手を教えるコーチからも称えられる松山のアプローチ。これはもはや国宝級レベルではないか。(アリゾナ州スコッツデール/服部謙二郎)