NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン2 第5節2026…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月7日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 花園近鉄ライナーズ
清水建設江東ブルーシャークス(D2)
今シーズン全試合にフル出場、清水建設江東ブルーシャークスの尾﨑達洋選手
開幕4連勝と好調を維持する清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)において、ここまで唯一、全試合フル出場を続ける男がいる。尾﨑達洋だ。昨季も入替戦を含めて13試合に出場。185cmの恵まれた体躯を生かし、バックスの要として常にチームの最後尾に立ってきた。
平日はフルタイムで勤務し、夜に練習、週末は試合。社業とラグビーを高いレベルで両立するチームにあって、尾﨑の稼働率は群を抜く。それでも本人からはどこか飄々とした“余裕”が漂う。その笑顔は、どこから来るのだろうか。
象徴的なのがウエイトトレーニングだ。オフシーズンもクラブハウスに通い、黙々と体作りに向き合ってきた。「ウエイトは弱いんで、やらなきゃいけないんです」と笑いながらも、シーズン中であっても“ゼロにしない”ことを自分に課している。
「疲労でボリュームは下がります。でも、何もしなくなると力が落ちる感覚がある。筋力が落ちないように、というのはずっと意識しています」
尾﨑の価値は、プレー面だけにとどまらない。トップイーストリーグ在籍時代からチームを支えてきた一人として、外国籍選手とも率直に意見を交わしてきた。「昔は、個人の判断を優先する選手がいることもありました。(自分の意見を)ちゃんと言わないと、チームとして機能しなくなる」。主張の強い外国籍選手に対しても遠慮せず自分の考えを伝え、その上で同じ方向を向く。最後尾から全体を見渡し、ズレを修正する姿勢は、彼が今節務めるフルバックというポジションとも重なる。現在の日本人選手と外国籍選手が互いをリスペクトし合う江東BSの空気は、こうした積み重ねの上にある。
もっとも、フル出場を続ける道のりは平坦ではない。「もうボロボロですよ」と笑って語るように、痛みや不調を抱えながら試合に臨むことも少なくない。それでも立ち続けられる理由を尋ねると、尾﨑は感謝の言葉を口にした。
高校時代に出会った妻は、当時からラグビーを続ける尾﨑を支え続けてきた存在だ。まだ幼い二人の娘を抱えながら家を守ってくれている妻に対し、「やらせてもらっている」という気持ちを忘れない。娘たちが大人になっても、ラグビーをする姿を覚えていてくれたら──そんな会話を交わすこともあるという。
今季で8年目。選手として、そして会社員として担う責任は年々増している。それでも、余裕に見えるのは余裕があるからではない。準備を怠らず、言うべきことを言い、そして支えてくれる人がいるからこそ生まれる表情だ。
最後尾でチームを守り、声とプレーで流れを整える。尾﨑達洋が“立ち続けられる理由”は、今日も変わらない積み重ねの中にある。
(奥田明日美)