田中千晴投手は同僚たちから「たなちー」と呼ばれ「やりやすいですよ」 明るい笑顔が、何よりの証だった。「周りの人がすごく名…

田中千晴投手は同僚たちから「たなちー」と呼ばれ「やりやすいですよ」

 明るい笑顔が、何よりの証だった。「周りの人がすごく名前を呼んでくれるので、やりやすいですよ」。FA移籍した則本昂大投手の人的補償として巨人から楽天に加入した田中千晴投手は、「ちはる」だけでなく「たなちー」の愛称も定着しつつあり、新天地で順調な滑り出しを見せている。

 春季キャンプ直前の1月23日、田中千の移籍が発表された。「自分、ジャイアンツだったら2軍スタートだったんです。今年から投手層もまた厚くなった中で、そこから1軍に上がってどう投げるかのビジョンを決めた状態だったので、電話がかかってきたときはちょっと戸惑いがありました。ただそういうものは時間が解決するとわかっているので。ビジョンが崩れてしまったことが少しショックでしたが、イーグルスに来ることは個人的にすごくチャンスだと思っていました」と率直な心境を打ち明ける。

 当日の夜は山崎伊織投手らとお寿司を食べに行く予定だった。その手土産を選んでいた最中の通告電話。動揺も大きかったため、行くか行かないか迷ったそうだが足を運んだ。しかし「結局、報告とかニュースを見た人からの電話とかで、1貫食べて電話して、また1貫食べて電話して、という感じで……」と苦笑いだった。

 1月下旬にはジャイアンツタウンで則本と対面。「すごく優しい方でしたね。『ごめんね』というのを一番おっしゃっていました。でも僕は『全然大丈夫です、チャンスだと思って行けるので』と。お互いプラスに捉えていけるようにというか、僕もプラスに捉えているので」と先輩の気遣いに感謝した。

 プロ4年目になるが、楽天でのキャンプは初めて。第2クール初日となったこの日、チームとしての練習を終えると、午後は国学院大時代の同級生でもある江原雅裕投手とともに個人練習に励んだ。「イーグルスは自由度は高いですね、臨機応変というか。今日も午後から自分の好きな練習ができるのは、ジャイアンツではなかったですね。ジャイアンツ時代の充実とはまた違う、新しい充実という感じです」と“違い”も受け入れ、充実の日々を送る。

 昨年は1軍出場なしに終わったが、中継ぎの一角として期待が懸かる25歳は「勝ちパターンで投げさせていただけたらと思っています。僕の武器はフォークなので、そこと真っ直ぐの強さを出して球速も出てくれば。怪我をせずやり切って、しっかり狙っていきたいなと思っています」。突然やってきたチャンスを、ものにするつもりだ。(町田利衣 / Rie Machida)