<最強日本フィギュア>(10)ミラノ・コルティナ五輪が今日6日に開会式を迎える。フィギュアスケートも団体で幕開け。日本代…
<最強日本フィギュア>(10)
ミラノ・コルティナ五輪が今日6日に開会式を迎える。フィギュアスケートも団体で幕開け。日本代表は、22年北京五輪の過去最多メダル4個(銀2、銅2)を上回り、最大7個の獲得が視野に入る布陣となっている。10日間の長期連載で代表選手の素顔を紹介してきた「最強日本フィギュア」。最終回は、男子で22年北京五輪銀の鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)の歩みに迫る。【取材・構成=勝部晃多】
★父
競技を始めた5歳から、92年アルベールビル、94年リレハンメル五輪出場の父正和コーチの指導を受けてきた。大会後は結果にかかわらず、ホテルでの反省会が日課。長い時は1時間に及ぶこともある。昨年は本番で結果が出せない時もあったが「父の言葉はすごく大きい。何度も何度も話し合って、本来の鍵山優真を取り戻していくための作業してきた」と全幅の信頼を置く。年末の全日本選手権では、史上初の父子2連覇を達成。「滑っているのは1人。でも、自分のためだけではないということは意識してきた」。ミラノで最高の親孝行を果たす。
★エース
男子シングルの五輪経験者は自身のみで「代表を背負う」と言い切る22歳だが、以前は「エース」の呼び名を遠ざけていた時期があった。日の丸を引っ張ってきた羽生結弦さん、宇野昌磨さんの現役引退後も「2人みたいにはなれない」「スター性はない」と遠慮がちだった。24年の全日本選手権。7度目の挑戦で初めて「日本一」を手にし「やらなければいけないと、かなり感じた」と新たな思いが芽生えた。以前はシャイで物静かなタイプだったが、「自分にしかできない後輩との接し方や背中の見せ方がある」ときっぱり。頼れるエースとしての自覚は十分だ。
★心構え
気持ちの持ち方がそのままパフォーマンスに直結する。その考えの下、競技への「入り方」に常に意識を払っている。北京五輪以来4季ぶりにショートプログラム(SP)で自己ベストを更新した今季のGP(グランプリ)ファイナル。その際に「一番うまくいった。自信がついた」と手応えをつかんだ心構えが、「自分が一番かっこいい」という自己陶酔だった。五輪へ向けても「頂点しかない」と自身に言い聞かせている。またスタート位置につく時には、呼吸の音を聞き、足元の感覚に意識を研ぎ澄ますなど、さまざまな工夫を凝らしている。
★SNS
匿名の声が力になる場合もあるが、調子の悪い時はマイナスな意見に心乱されたりプレッシャーになったりしかねない。「10代の時は無敵なんですよ、ある意味。でも結果が出るにつれて、20代になって心も成長して、だんだん繊細になっていく」と、今季からはSNSの扱い方に特に注意するようになった。大会時にはX(旧ツイッター)やインスタグラムのアプリを消去するなどして周囲の声をシャットアウト。「どこまで制限してどこまで解放していくのかっていう部分も、オリンピックに向けての戦略としてすごく大事」。リンク外から勝負は始まっている。
★呼び方
愛称が定まっている選手が多い中、「僕の呼び名だけ異常に多いなって思うんです」と苦笑する。呼び捨てや君づけ、「ゆまち」などが一般的だが、選手からは親しみを込めて「ゆまちゃん」と呼ばれることもある。「なんか最初に(木原)龍一くんが『ゆまちゃん』って仲良くなって言ってくれて、そこから(坂本)花織ちゃんとか(三浦)璃来ちゃんとかに伝染して『ゆまちゃん』と呼ばれるようになりました」。ファンにはどのように呼んでもらいたいか尋ねると、「何でも大丈夫です」とにっこり。新しい愛称も大歓迎のようだ。
◆鍵山優真(かぎやま・ゆうま)2003年(平15)5月5日生まれ、横浜市出身。星槎国際高横浜を経て22年から中京大。5歳で競技を始め、19年全日本ジュニア優勝。20年ユース五輪金メダル。22年北京五輪で個人&団体銀メダル。24年4大陸選手権優勝。世界選手権は銀3個(21、22、24年)、銅1個(25年)。25年全日本選手権で2連覇を達成。趣味は写真撮影。身長160センチ。血液型O。