NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン1 第7節(交流戦…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2026年2月7日(土)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 浦安D-Rocks
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのタイラー・ポール選手
日本代表候補のメンバーに入ったことについては「とてもうれしいです」と語りながらも、彼は口角を上げなかった。「シーズンはまだ長い。まずは毎週末、試合でしっかりとしたパフォーマンスを出し続けたいです。私ができることは、そこだけなので」と、静かな表情で目の前の現実を正視した。
現在、タックル成功数は106とディビジョン1で1位。ボールキャリー数も76でリーグ6位。トライランキングにも、ショーン・スティーブンソンやチェスリン・コルビらと同数の8位に名を連ねる。そうした数字が、タイラー・ポールのプロフェッショナルな仕事人ぶりを雄弁に物語っている。
「自分のプレースタイルが、チームのゲームプランに合っているんだと思います。キャリーする役割を任せてもらっているので、自然とトライのチャンスも増えますし、タックルも同じです。ラインアウトには入らないぶん、次の局面で仕事をする場面が多い。あとは、とにかくチームのためにハードワークするだけです」
日本代表活動を終えてチームに合流し、間もなく開幕。今季は全戦でフル出場し、ピッチでは攻守両面で役割を全うし続けている。その原動力は「チームメートたちからのリスペクト」にあるという。
「私はどちらかというと内向的で、目立つことがあまり好きなタイプではありません。見えないところでハードワークするほうが性に合っている。そうしたプレーはファンの目には映りにくいかもしれませんが、チームメートやコーチは理解してくれていると思っています」
だが、そんな彼が「ベストなラグビーができなかった」と悔やむ試合がある。前節の東芝ブレイブルーパス東京戦だ。
後半31分にトライゾーンにボールをねじ込むも、ダブルムーブメント(タックルされて倒れたボール保持者が、一度完全に停止または接地した後に、再度地面を這って前進(再加速)しトライを狙う行為)で反則と判定されトライキャンセルに。本人は「スコアしたと思っていましたが、運が味方するときもあれば、そうでないときもある。それがスポーツです」と、その瞬間を振り返る。
そして、ゲームの最終局面では、目の前でリッチー・モウンガにトライを許した。無情にも指先からこぼれ落ちた勝利。その落胆から立ち直るまでには、数日を要した。
前節の終了間際、逆転トライをあげたBL東京のモウンガ選手。最後のタックラーがタイラー・ポール選手だった
「正直、かなり悔しかったですし、もっと良くできたはずだとも思いました。やり方次第では結果が違っていた可能性もある。ただ、人生と同じで、終わってしまったことは変えられません。だからこそ前を向いて、次の試合にフォーカスを切り替えています」
南アフリカではプロ生活を送りながら、難関である『ファイナンシャルプランナー』の資格を学び、取得した。学業も、ラグビーも、準備を完璧にすることが自信につながる。続く第7戦、ホームのえどりくで、ポールにとっては古巣となる浦安D-Rocksと対峙する。
「古巣かどうかは関係ありません。自分にできるベストのパフォーマンスを出すだけです。スピアーズのチームや仲間、そしてオレンジアーミーのファンが誇りに思ってくれるようなプレーをしたいですね」
派手なプレーで目立つよりも、チームの勝利のために泥臭い仕事を完遂することに最大の価値を置く、知略のハードワーカー。寡黙ないぶし銀は、仲間たちの笑顔のために体を張る。
(藤本かずまさ)