スキー界で異彩を放つグー。彼女の人気や知名度、影響力はスポーツの垣根を越えている(C)Getty Images 雪上のヒ…

スキー界で異彩を放つグー。彼女の人気や知名度、影響力はスポーツの垣根を越えている(C)Getty Images

 雪上のヒロインは、イタリアの地で何を見せてくれるのか。来る現地時間2月6日に開会式が行われるミラノ・コルティナ冬季五輪において小さくない関心を集めるアスリートの一人が、女子フリースタイルスキーの中国代表であるアイリーン・グー(谷愛凌)である。

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 彼女の人気ぶりはもはやスポーツの垣根を越えている。米経済誌『Fobes』によれば、2022年から25年にかけてグーが稼いだ副収入は約8740万ドル(約135億5000万円)。ラグジュアリーブランドとの契約などで絶大なる影響力を持っている。現役スタンフォード大学生という才色兼備の一面も、人々の関心を惹きつける要因の一つ言えよう。

 もっとも、フリースタイルスキーでは異質な存在価値を放つ彼女の動静は時に批判の的となる。米国人の父と中国人の母を持つグーは、2019年6月に国際スキー連盟に国籍変更を要請して中国代表に転身。本人曰く「アメリカにはすでに代表選手がいた」と、五輪出場のチャンスを求めての決断だったが、とりわけ米国内で非難が噴出。当時、米ニュース局『FOX』に出演したアナリストのウィル・ケイン氏からは「恩知らず」「恥ずべき人物」と断じられた。

 母親の後押しもあって、国籍変更を決めたティーンエージャーに投げかけられた非難の嵐。その影響は今も当人を苦しめているという。自身2度目の五輪を目前にして米誌『Times』のインタビューに応じたグーは、複雑な胸の内を告白している。

「地政学的な要因が絡んでいて、一般的に大半の人は中国を嫌っている。そういう傾向にあると思う。ただ、人々が『嫌い』と思う悪の塊として、私がひとまとめにされるのは、ちょっとつらい。それにそれ(批判)は、私のスキーのことじゃないし……」

 それでもグーは「私はアメリカにいる時はアメリカ人。中国にいる時は中国人です」と気丈に振る舞い続ける。彼女は、自分の決断が間違っていなかったと前向きに語っている。

「私は誰の犠牲も伴わずに、多くのポジティブな影響を与えてきたと思っている。これは皮肉のかけらもなく、心から言いたいこと。私に向ける侮辱的な言葉やメッセージを作り出すのにかかる時間や創造力を、自分の才能とは何か、そしてそれをどう世界をより良くするために使えるのかを考えることに使ってみてほしい」

 迫る五輪の檜舞台に向けては、出場する3種目での優勝を目論んでいる。無論、ライバルも多く、壮大な目標となるが、グーは「私が避けたいのは、恐怖に怖じ気づいて守りに徹してしまうこと」とやる気を漲らせている。

 批判をもろともしない22歳のカリスマは、どのような滑りで観衆を沸かせるのか。そのパフォーマンスに熱視線が注がれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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