Jリーグは2026年、その様相を大きく変える。2026-27シーズンから、秋春制を導入するのだ。だが、その前にも「新た…
Jリーグは2026年、その様相を大きく変える。2026-27シーズンから、秋春制を導入するのだ。だが、その前にも「新たな挑戦」が待っている。約5か月間の「百年構想リーグ」だ。この大会、使いようによってはリーグやクラブを大きく変貌させるかもしれない。初の試みとなる短期決戦リーグでの「戦い方」を、サッカージャーナリスト後藤健生が提案する!
■長丁場ゆえの難しさ
以上、「百年構想リーグ」についていくつか苦言を呈したが、いずれにしても今週末にはその「百年構想リーグ」が開幕する。どのような戦いになるのだろうか?
この大会の特徴はなんといっても「短期決戦」であることだ。
従来のJリーグは2月に開幕して12月上旬まで中断期間を挟みながら、10か月近い長丁場で争われた。20チームのリーグ戦だから、各チーム38試合を戦っての決着となる。
サッカーというのは、ご承知のように番狂わせの起こりやすい競技だ。だから、天皇杯のようなカップ戦ではジャイアントキリングが次々と起こって、どこが優勝するかまったく分からない。
だが、一つひとつの試合では番狂わせが起こったとしても、年間を通して38試合を戦えば、好不調の波や幸運や不運も平均化されて、結局、チーム力の高いチームが上位を占めることになる。
だからこそ、リーグ戦こそが実力を反映したものであり、「カップ・ウィナー」ではなく、「リーグ・チャンピオン」こそが、その国の最強王者と見なされるのである。
■勝つのは金持ちチームだけ?
38試合の長丁場を乗り切るには選手層も必要だ。
主力選手の負傷などによる離脱はどのチームにでも起こりうる。複数人が同時に離脱することだってザラに起こる。
そこで、その穴を埋めることができるだけの選手層が必要となるのだ。
しかも、「春秋制」で行われてきたこれまでのJリーグ戦では7月から9月にかけて猛暑が襲い掛かる。運動量を要求される現代のサッカーを考えれば、気温35度、湿度80%などという環境はサッカーを行うにはけっしてふさわしくない環境だ。
選手たちには疲労がたまり、当然のことながら、パフォーマンスが落ちてくる。
合理的なトレーニングや暑熱対策によって疲労を蓄積させないようにするのはもちろんだが、ターンオーバーを使って選手を休ませる必要もある。そして、そのためにも分厚い選手層を持つチームが有利になる。
別の言葉で言えば、それだけの選手層を準備することができる財政力のあるクラブでしかリーグ戦の優勝を争うことはできないのだ。
■勢いに乗るか、飲まれるか
だが、「百年構想リーグ」は約4か月の短期決戦だ。試合数は、リーグラウンドで18試合。プレーオフラウンドを含めても20試合。通常のリーグ戦の約半分ですむ。
しかも、消耗の激しい夏場の戦いがなく、初夏にはシーズンが終了する。また、日本代表の活動による中断期間も例年に比べると短い。
つまり、選手層の薄いチームでも乗り切れる可能性があるし、スタートダッシュに成功すれば4か月ならその勢いを持続したまま一気に終盤戦に突入する事も可能だ(同時に、ひとたびつまずいたら立て直しができない場合もある)。
1年間(10か月)をかけた通常のリーグ戦では優勝に届かないような、選手層の薄い=財政規模の小さいクラブでも、「百年構想リーグ」なら優勝することが可能になるのではないか?