ミラノ・コルティナ五輪が6日に開幕を迎え、7日からスピードスケートが行われる。98年長野五輪男子500メートル金メダリス…

ミラノ・コルティナ五輪が6日に開幕を迎え、7日からスピードスケートが行われる。98年長野五輪男子500メートル金メダリスト清水宏保氏(51)は、“お家芸”の500メートルに期待を寄せた。22年北京五輪銅メダルの森重航(25)ら男子3人を「最強布陣」と評価。自身が指導する女子吉田雪乃(23)にも太鼓判を押す。日本をけん引する高木美帆(31)の現状も分析した。【取材・構成=飯岡大暉】

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日本は6メダルを狙える。男女500、女子1000と1500メートル、男女団体追い抜き。過去最高の18年平昌に並ぶ可能性もある。

まずは男子500メートル。3人の最強布陣がそろった。その中でもダブル看板は楽しみだ。森重は北京で銅メダルを獲得したが、当時は21歳で注目されていない中で「取れてしまった」メダルだった。メダリストとして臨む今回の五輪は全く違うものになる。自分も98年長野で金メダルを獲得して、02年ソルトレークシティーで同じ経験をした。森重は今回は旗手でもあり注目される中で、どれだけ勝負できるかがポイントだ。

新濱は前回メダル候補ながら20位。重圧に負けたのは否めない。今回は、昨年の交通事故による大けがで苦しみながら代表に入った。練習量が少ない不安はあると思うが、楽に戦えるかもしれない。この2人は100分の1秒単位で拮抗(きっこう)しており、どちらが速いかはその時の調子次第。どちらかは絶対メダルを取れる。3番手の倉坪も、五輪でのびのび滑れば結果が出るのではないか。

女子は高木が中心になる。1000、1500メートル、団体追い抜きでメダル圏内にいる。メダル4個の北京大会と違って、31歳でベテランとなり苦しんでいる印象がある。自分は35歳まで現役だったが、30歳を超えてからどんどん狂った。体力測定のデータは変わらないのに、反応が悪くなり、タイミングが合わなくなった。ただ高木はその状態でも表彰台を十分に狙えるのは素晴らしい。団体追い抜きは佐藤に加え、若手の堀川、野明がメンバー入りしたが、高木がいるからこそメダルを狙える。日本にとって彼女の存在は大きい。

女子500メートルの吉田は、スプリンターとして最高の能力を持つ。高木を燃費の良い車に例えるなら、吉田はガソリンタンクを瞬間的に使い切ることができるタイプ。一瞬で追い込む能力がかなり高く、とても魅力的な選手だ。25年からアドバイザーとして指導しており、五輪の話もした。大会の雰囲気やトラブルとの付き合い方、選手村での過ごし方などを伝えたので、初出場でもうまく対応してほしい。今回は新人とベテランが分かれていて、中間の年代がいない。世代交代の五輪になるかもしれない。

日本スケート連盟が設定する目標メダル5個は妥当だが、願いを込めて男子団体追い抜きをメダル候補に挙げる。通常はメンバー4人で臨むが、日本は3人体制のため不安もある。ただトラブルが起こりやすい競技。1回戦、準決勝と進む中で相手に何が起こるか分からない。3人でも十分戦えると思う。(長野五輪男子500メートル金メダリスト)

◆清水宏保(しみず・ひろやす)1974年(昭49)2月27日、北海道帯広市生まれ。白樺学園高-日大。94年リレハンメル五輪から06年トリノまで4大会連続出場。98年長野では500メートルでスピードスケート日本勢初の金、1000メートル銅。02年ソルトレークシティー大会500メートル銀。世界距離別選手権500メートルで5度の金。10年に現役引退。