今年の高校生NO.1左腕に挙がる末吉 良丞投手(沖縄尚学)。夏の沖縄大会では29回を投げ、40奪三振、失点1と圧巻の投球…

今年の高校生NO.1左腕に挙がる末吉 良丞投手(沖縄尚学)。夏の沖縄大会では29回を投げ、40奪三振、失点1と圧巻の投球でチームを甲子園出場に導き、甲子園でも34回39奪三振、自責点4の快投で甲子園優勝投手となった。

 さらに2年生ながらU-18代表に選ばれ、エース格として活躍。上級生投手を上回る投球内容を見せた。奢らず、実力アップに努める姿勢も評価されている。

 今年のセンバツで自身3度目の甲子園出場を決めた末吉のパフォーマンスを振り返っていきたい。

 末吉は左スリークォーター気味の投球フォームから常時140キロ〜145キロ前後の速球を投げ込む。好調時では150キロ近い速球を投げ込んでいた。末吉のストレートは球速表示以上に勢いがある。沖縄で開催されたU-18ではMLBスカウトも注目するアメリカ代表の強打者たちを次々と詰まらせる投球を見せていた。ストレートの強さは高校生としては並外れたものがあり、大きな強みになりそう。両サイドへしっかりとコントロールできており、打者はフルスイングができず、詰まらされていた。

 ストレートと同じく精度が高かったのは、130キロ近いスライダーとチェンジアップ。いずれも打者の手元で急激に変化するので、判別がしにくく、高確率で三振が奪える。

 夏はストレート、変化球のコンビネーションが絶妙だった。それに加えて投球フォームも進化が見えた。2年選抜までは力任せで腕が外回りした形で出てくることもあり、ばらつきも多く、球数も多かった。

 しかし夏は開きを抑えて、腕の振りも内旋になったことで、リリースポイントも安定し、制球力が格段に向上した。

 制球力、投球フォーム、ストレートの威力、変化球といずれもレベルアップしたことで、夏の甲子園優勝につながった。

 ただ、昨秋の九州大会の投球は疲労の影響からか、やや腕を押し出すような投球フォームに変わっていた。145キロは出ていてもコントロールが荒れていた。秋のままだと、故障のリスクが高まるので、冬のトレーニング、フォーム固めで夏のような投球フォームに戻したい。

 昨夏の投球だけでも、十分にドラフト指名されるだけの実力はあり、高校時代の宮城大弥投手(興南-オリックス)と比較しても負けていない。宮城は最終学年にかけての進化が凄まじく、どの試合でも140キロ後半を投げ込んだ。さらに鋭く落ちる縦スライダーで三振を奪うなど、大きな進化を見せていた。

 末吉も2年夏に最高の結果を残したが、選手としてのパフォーマンスはさらに進化した姿を見せたい。昨夏のピッチング内容をベースに、平均球速が145キロ以上を出せるようになれば、ドラフト1位はほぼ確定になるのではないか。

 注目が集まるセンバツ初戦では昨年以上に進化した投球を期待したい。