野球不毛の地・ウガンダからの挑戦…狭き門を突破し、メジャー入り狙う 野球不毛の地・ウガンダから夢を追いかけて海を渡った。…

野球不毛の地・ウガンダからの挑戦…狭き門を突破し、メジャー入り狙う

 野球不毛の地・ウガンダから夢を追いかけて海を渡った。「今は145キロだけど160キロを投げて、ショウヘイ・オオタニのような素晴らしいになりたい」。1月31日にショッピングモール・ゆめタウン徳島で行われた四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの新入団会見。加入したカトー・エドリン投手はそう意気込んだ。

 毎年ドラフト会議で所属選手複数人がNPBから指名されることから、徳島インディゴソックスは育成力も注目されつつある。プロを志す全国のアマチュア選手が“修行の場”として門を叩くようになり、その数は毎年100件を上回る。海外からのチャレンジャーも現れ、同球団へ入団することは年々、狭き門となっている。

 カトーはMLBのドジャースが開校している「ドジャースアカデミー」で基礎を身につけた。同アカデミーは、アフリカ大陸でMLB球団が運営する唯一の野球塾であり、ドジャースとウガンダの野球連盟によって2013年に開校された。現地施設に元メジャーリーガーが派遣され、米国で活動しているチームと同じメニューを用いて、子どもたちの年齢やスキルに応じた指導が行われている。

「ウガンダでは野球はまだマイナースポーツですが、僕は6歳のときに日本から来たJICA海外協力隊員の田中勝久さんをきっかけに野球と出会って、12歳からアカデミーに通い始めました」。野球をするのに不自由ない環境とサポートが整っていたが、アカデミー在籍中に新型コロナウイルスが世界的に流行し、2国間をコーチらが往来するなど国境を跨いだ事業であることから、カトーは「十分な指導を受けることができなくなった」と振り返る。

強みは「ドジャースから直伝された基礎」

 それを機にアカデミーを辞め、15歳で来日。2023年から関西独立リーグ・兵庫ブルーサンダースでプレーしながら日本について知るうちに、四国アイランドリーグplusは「とくにレベルが高い。その中でも徳島はハイレベル。グッドプレーヤーになる環境を求めていたので、ここで挑戦するのが最善と思いました」と語り、同リーグの4球団合同トライアウトを受験して、徳島入団に至った経緯を明かした。

 持ち味は「アカデミーでドジャースから直伝された基礎」と、秘めるポテンシャルだ。アフリカ大陸出身のアスリートは速筋が優れ、潜在的に高い能力を有する。野球においても高いパフォーマンスを発揮することが期待でき、2017年には南アフリカ共和国出身のギフト・ンゴエペ内野手(元パイレーツ)がアフリカ大陸出身の選手として史上初めてメジャーデビューを果たした。

 まだ19歳のカトーも「ウガンダにいる子どもたちや友達、家族に勇気を与えたい」と語る。その鋭い眼光からは、海外で戦い続けることへの覚悟が伺えた。

「(アカデミー在籍時も)今も、メジャー入りするには若すぎる。(独立リーグの練習環境は恵まれていないと言われるが)これまで積み重ねてきた指導ノウハウや、スタッフによるサポート体制で言えば、ここも僕が成長できる場です。力を付けて、いつか上のカテゴリーやメジャーでプレーしたい」。ドジャースアカデミー出身という看板を背負い、母国のためにも、独立リーグ球団から飛躍することを誓った。(喜岡桜 / Sakura Kioka)