球春到来。今年も1日から春季キャンプが始まった。ユニホームを着た選手たちが、新たなシーズンに向けて準備を進めていく。 …

 球春到来。今年も1日から春季キャンプが始まった。ユニホームを着た選手たちが、新たなシーズンに向けて準備を進めていく。

 2軍スタートになった選手たちのキャンプは、山口県岩国市の由宇練習場から始まった。打撃練習で快音を響かせていたのは、5年目の末包昇大。12月の契約更改の際には、「30本塁打、100打点を目標に掲げていく」と宣言し、奮起を誓っていた。

 昨季は初めて規定打席(443打席)に到達し、自己最多に並ぶ11本塁打と最多の62打点をマークした。オフの間は、志願して和田一浩氏の指導も受けた。西武、中日で通算319本塁打した和田氏からはバットが体から生えているような感覚で、体の近くを通して振ることなどを教わった。

 「基本的に、自分の感覚をなくさないように」。この言葉が頭に残る。不調に陥ったとき、教わったことに固執すると復調まで時間がかかる。脱出口を広げるためにも、自分の感覚でいいと思ったものを採用していくことを助言された。課題の一つは逆方向への長打。流し打つ長打が増えれば、おのずと成績も伸びていく。

 チームでは、2021年に38発を放った鈴木誠也(大リーグ・カブス)以来、20本塁打到達者は外国人選手も含めて不在だ。一打で流れを変えられる攻撃力の必要性は、痛いほど分かっている。

 新井貴浩監督は横一線からの競争を強調したが、末包は「僕は毎年毎年が勝負だと思っている。他の人より優先されるようなことはない」。左へ、右へ、確認するかのように打ち分け、「1軍に呼ばれなかった悔しさ。自分の立ち位置と危機感を持って、いいところを見せて1軍に呼ばれるようにしていきたい」。それぞれの戦いが始まった。(本紙スポーツ部広島駐在)