<最強日本フィギュア>(8)6日開幕のミラノ・コルティナ五輪まで、4日であと2日となった。フィギュアスケート日本代表は2…
<最強日本フィギュア>(8)
6日開幕のミラノ・コルティナ五輪まで、4日であと2日となった。フィギュアスケート日本代表は22年北京大会で獲得した過去最多メダル4個(銀2、銅2)を上回り、最大7個が視野に入る布陣となっている。開幕日まで10日連続で代表選手の素顔を紹介する「最強日本フィギュア」。第8回は、男子で初出場の三浦佳生(かお、20=オリエンタルバイオ/明大)の歩みに迫る。【取材・構成=藤塚大輔】
★武器
ジャンプ前での減速が少なく、スピード感のある演技が強み。ファンからはイタリアの高級車「ランボルギーニ」にたとえられる。その源流は、小3から4年間指導を受けた都築章一郎コーチの教え。羽生結弦を育てた名伯楽のもと、午前4時から公園40周のランニングや縄跳びの二重跳び200回などのメニューで下半身を鍛えた。ジャンプ指導では、3回転を習得していない段階から「4回転を(想像して)締めろ」とも。現在も「スピードを出しても怖くない」と経験が生きており、五輪では3種類の4回転ジャンプを投入する。
★変化
24年秋から左太もも痛の影響などで低迷が続く中、昨年10月下旬から本格的にメンタルトレーニングを始めた。スポーツドクターの辻秀一氏から「ご機嫌の状態でいることが大事」と助言を受け、それまで波が大きかった精神面を改善。本番前に他選手の演技を見るルーティンもやめ、自身に集中するようにした。それが同11月のGPスケートカナダで奏功。3位となり、主要大会で1年ぶりに表彰台に立った。「練習でも不機嫌95%、ご機嫌5%みたいな状態から、だいぶ不機嫌が顔を出さなくなった」と効果を実感する。
★語録
独特な言葉選びも魅力。男子最年少の17歳8カ月で制した23年4大陸選手権では、フリー「美女と野獣」を好演後に「自分にビューティー成分はない。ビースト(野獣)の方が似合っている」と笑いを誘った。24年GPスケートアメリカでは気迫の演技で銅メダルをつかみ「気持ちで降りるジャンプは三浦あるある」と自ら説明。SP2位発進だった昨年末の全日本選手権では、演技前に人気ゲーム「太鼓の達人」をしたと明かし「やっている間は周りのことを考えない。『ドン』と『カッ』しか音がしない」とリラックス効果を説いていた。
★仲間
2学年上の五輪代表の鍵山、佐藤とは幼少期から切磋琢磨(せっさたくま)。「関東3羽がらす」と称されてきた。佐藤とは小2の試合で初対面。自身の2回転ジャンプに対し、3回転3種類で30点差をつけられて「バケモノ」と衝撃を受けた。小5で出会った鍵山について思い出深いのは、トリプルアクセルを1週間で習得した姿。自身は1年以上かかっただけに驚くしかなかった。今季序盤に2人から「一緒に五輪に行こう」と励まされ、全日本選手権では3人で表彰台を独占。夢をかなえて「漫画みたい」と喜んだ。
★趣味
野球好き。推しの球団はソフトバンク。好きな選手は同球団の牧原大成内野手、巨人の甲斐拓也捕手ら。22年GPスケートカナダの会見では、人気ゲーム「プロ野球スピリッツ」の“三浦流スタメン”を発表したこともある。23年夏には日刊スポーツの企画で、当時DeNAのエースだった今永昇太投手(現カブス)と対談。「自分の心のパターンを理解することが安定につながる」「できないことはやらない」などの教えを授けられた。「結果が出なくてもポジティブになることが大事」と競技に生かしている。
◆三浦佳生(みうら・かお)2005年(平17)6月8日生まれ、東京都中央区出身。馬込東中、目黒日大高を経て、明大に進学。5歳で競技を始める。22年から2年連続GPファイナルに出場して、ともに5位。23年GPフィンランド大会で同シリーズ初優勝。24年世界選手権は8位。4大陸選手権は23年、今年と2度優勝した。168センチ。