「広島2軍春季キャンプ」(3日、由宇) 広島の育成ドラフト2位・岸本大希内野手(24)が早期の支配下昇格を誓った。四国…

 「広島2軍春季キャンプ」(3日、由宇)

 広島の育成ドラフト2位・岸本大希内野手(24)が早期の支配下昇格を誓った。四国ILp徳島時代には、アルバイトも経験した苦労人。支えてくれた両親への親孝行を誓う若鯉が、背番号3桁からの逆襲を狙う。

 ようやくつかんだ夢の舞台で必死に白球を追いかけている。背番号125の岸本がひときわ小さな体で奮闘中。「一球一球しっかり動きとかを確認しながらできている。いい練習ができています」と初のキャンプで充実の時間を過ごしている。

 武器はスピード感あふれるプレーだ。「走攻守すべてにおいて足を使ってやっていくのが魅力」。広角に打ち分ける技術に加え、小柄ながらパンチ力も秘めており、四国ILp徳島での昨季は69試合で5本塁打、41盗塁をマーク。俊足と力強さを兼ね備えたそのスタイルで、早期の支配下昇格を目指す。

 ここまでの野球人生は決してエリート街道ではない。長崎商では甲子園出場はなく、桐蔭横浜大でも「目立った選手ではなかった」。社会人チームへの入団を決めかけていたが、ある記事が目を引いた。徳島から22年度の育成1位で入団し、1年目で開幕スタメンをつかんだオリックス・茶野の姿だ。岸本と同じ小柄な左打ち。「少しでも可能性があるなら」と自身の姿を重ね、四国ILp徳島の門をたたいた。

 徳島での日々は、想像以上に過酷だった。特に「きつかった」と振り返るのが移動だ。基本はすべてチームバスで、宿泊なしの日帰りが原則。愛媛・宇和島での遠征ともなれば、往復で10時間もバスに揺られることもあった。

 金銭面もかつかつだった。バットや野球用具は自身で用意し、シーズン中はアルバイト禁止。そのためオフシーズンの11月から1月は、チームが運営するアカデミーで小・中学生に週5で野球指導を行うことも。それでも生活費を賄いきれず、徳島での2年目は両親に頭を下げ、家賃を払ってもらっていた。夢をかなえるまで支えてくれた両親に対し「感謝しかないです」と実感を込める。

 親孝行の計画は胸の中にある。「もう少し稼いでいつか恩返しがしたいんです」。現在、チームは二遊間を主戦場とする選手の層が薄く、はい上がるチャンスは十分にある。本当の勝負はここから。まずは早期の支配下登録を勝ち取るため、目の前のプレーに全力を注いでいく。

 ◆岸本 大希(きしもと・だいき)2002年1月1日生まれ、24歳。長崎県出身。168センチ、70キロ。右投げ左打ち、内野手。長崎商から桐蔭横浜大を経て、四国ILp徳島に入団。2年目に41盗塁をマークした俊足と、打率.302を残したシュアな打撃が武器。25年度の育成ドラフト2位で広島に入団。春季キャンプは2軍スタート。背番号125。年俸300万円(金額は推定)。