大相撲の伊勢ケ浜親方(34=元横綱照ノ富士)が、断髪式翌日以降としては初めて、公の場に登場した。3日、都内で行われた「株…

大相撲の伊勢ケ浜親方(34=元横綱照ノ富士)が、断髪式翌日以降としては初めて、公の場に登場した。

3日、都内で行われた「株式会社アソビダス」の設立発表会見にゲストとして出席。同社は、既存の「アソビシステム」と「ミダスキャピタル」という2社が、共同で設立した新会社。いわゆる「推し活」の活性化、ファンと事業者をつなぐことを目的として立ち上げられた。

伊勢ケ浜親方は会見で「相撲は長い伝統、文化を何より大切にしていますが、新しいデジタルやAIを活用して、より多くのファンの方たちと深く関わり、もっと世界中に相撲を知ってもらうきっかけを一緒に広げていけたら」と、新会社の趣旨に賛同したことを説明した。

会見後にも取材に応じ、説明を補足した。「これまで後援会の方たちから『もっと身近に感じたい』という声が多かった。後援会として、パーティー(での交流)とか、番付表を送るぐらいしかなかった。ファンの人たちに、もっと相撲に興味を持ってもらいたいと思っていた時に、ちょうど、このお話をいただいた。どういうことをしたらファンが喜ぶか、これから力士と一緒に考えていく。ファンの人からしても、どうやったら、その力士を応援できるか分からないままいると思う。(新会社の)システムをうまく使っていきたい」。願いは、ファンにとっても、力士にとっても、より良い未来。双方への強い思いからだった。

近年は入門者数も、力士の総数も減少傾向にある。伊勢ケ浜親方は「ファンが増えれば、大相撲を目指す子も増えると思う」と力説。入り口は、ファンに向けた新たな試みに見えても、その先には、相撲界の将来を担う人材の確保、普及活動という、十数年、数十年先も視野に入れた挑戦でもあった。

言葉は熱を帯びたが、1月31日に断髪式を終えたばかりで、終始表情は涼しげで、冷静な口ぶりを際立たせていた。断髪式後、初の公の場とあって、新ヘアスタイルの評判については、インターネット上などでも好評だが「気を使って言ってくれてるんじゃない(笑い)」と、実際に対面した人からも好評のようだ。この日も前髪を上げるなど、スタイリングも手慣れた様子が見て取れたが「水でぬらしただけ」と明かした。まげと別れを告げ、相撲界では珍しい新会社の設立会見に出席し、アイドルグループ「CANDY TUNE」とも一緒に記念撮影。名実ともに、伊勢ケ浜親方が初めて遭遇した道への、第1歩を踏み出した。【高田文太】